AUGUST . 2018

今年も終戦記念日を迎える時期となった。これまで日本国民は、日本国の開戦理由をアジア侵略のための誤った戦争と教え込まれ、罪悪感を抱かされてきた。だが、そろそろ真相に目覚め、自覚を新たにすべきだろう。

 日本が開戦に至るための重要なファクターは、明治維新と近代化である。それまでは、鎖国で他国には一切、干渉せず、自国内だけで経済的に自立し、国家として十分に成り立っていた。なぜ、軽工業主体ののどかで平和に自立していた日本が、近代化して欧米に肩を並べる必要があったのか。言うまでもなく、米黒船の来航で、日米修好通商条約の強制が原因である。日本には関税自主権がなく、それでいて治外法権を認めさせられるという不平等条約を飲まされ、これが土佐、水戸、薩摩など諸藩の志士らを倒幕運動へとかき立てた。

 ペリー率いる米艦隊の本来の目的は、当時すでにイギリス、フランス、ポルトガルなどの侵略を受けていた支那利権にアメリカも乗ることであり、そのための地歩として日本を中継地に選んだ。かくして欧米の植民化の魔手が日本にも迫りつつある危機的状況から、近代化に乗りださざるを得なかった。ただし、かつては遣隋使、遣唐使を通じて支那に学んだ日本だが、近代化に臨んでは、福沢諭吉が「脱亜入欧」を説いた。これにより、日本はヨーロッパの先進技術や制度を導入し、欧化政策を進めた。そして、勤勉な日本人は瞬く間にそれらを習得し、列強入りを果たした。

 かくして日清、日露、第一次大戦の単独勝利というアジアの奇跡を果たしたが、そこに一貫していたのは「八紘一宇」の理念である。欧米によるアジア支配を解消し、大東亜共栄圏を実現して、ともに独立国として共存することを目指した。その人種差別に反対する理念があればこそ、樋口季一郎、杉原千畝などの外交官が、ドイツから迫害されていたユダヤ人を保護し、今日の閣議に相当する当時の五相会議でも、ユダヤ人への不差別を閣議決定するなど、同盟国だったドイツからの苦情も黙殺して博愛平等の方針を貫いた。

 第二次大戦はその理念に基づき、アジアの解放を目指したものであって、欧米と並んで侵略するのが目的ではなかった。もしも欧米のような侵略・植民が目的なら、進行した現地でインフラを整備したり、学校を整備して教育を普及したり、部隊を組織して練兵することはなかっただろう。むしろ、中国では日本軍の攻勢に押されて撤退する中国軍が、日本軍が得るものを残すまいと、インフラを破壊し、略奪、陵辱の限りを尽くしたのに対し、日本軍はそれらを建て直すという、あべこべの役割を果たしたのである。

 そして原爆によって降伏することとなるが、原爆投下にはマッカーサーはじめ五元帥が「すでに敗戦準備を始めた日本に、そこまで必要はない」と、こぞって反対した。それでもトルーマンが強行したのは、原爆の実験データの収集のみならず、大戦後に控えている東西冷戦構造に向けて、核の威力をソ連に見せつけておく必要があったためである。そのためには、より悲惨な状況がアピール効果は大きいため、赤十字の救援活動を禁じて遅らせ、敢えて被害を拡大させたという暗い事情がある。

 しかし、もとより天災・自然災害と隣り合わせで生きてきた日本人のしなやかさとしたたかさにより、ものの数年で復興し、アメリカに次ぐGDPを実現する先進国として復活を遂げた。とかく日本が国防費を増やすとなると、瞬時に「またもアジアの侵略を企てている」と中国大陸や朝鮮半島、そして国内の反日思想家が騒ぎ出すが、戦後70年以上にわたり、一度も他国と干戈を交えずして高度経済成長を果たした日本が、今さらどこを侵略して、何が得られるのだろうか。日本は天然資源もなく、エネルギーもなく、唯一の資源は人間である。それだけで先進国として成長できたのである。しかも、近年に至っては、日本の近海に200年分のメタンハイドレートや重油、レアアースなどの埋蔵が、国連の調査で判明した。今さら国際社会の批判を浴びる振る舞いをする必要など、どこにもない。GHQが空襲や原爆に対する国際批判を回避するために、東京裁判で捏造した自虐史観と、それを普及・定着させるためのWGIPによる間違った史観を捨てて、我々はそうした日本の近代史の真実を、胸を張って次代に語り継いでいくべきだろう。




過去の路地裏問答