August.2010


 今夏の参院選の結果は周知の通りで、民主の暴走に対する国民の危機感を反映したものとなった。敗因について、報道各社は消費税率引き上げを主因とする報道に傾いていたが、真因はそれだけではないだろう。マニュフェストに隠れて、日本を解体しようとする自滅政策の危険を、国民は機敏に感じ取っていたことも大きいのではないか。
 菅政権が発足する以前に、政権支配者の小沢前幹事長と、その傀儡たる鳩山前首相による政治資金問題や米軍基地の失態、その他むだな浪費政策などへの批判から、すでに民主政権への信用と支持率は地に落ちていたのであり、政権交代による一時的な回復があったとはいえ、菅首相の消費税論議は凋落傾向に拍車をかけたに過ぎない。
 それよりも、主権を他国民に委譲する外国人参政権法案や、それを背後で担保する人権救済機関の設置法案、さらに日本の家庭を分裂させ、引いては国民の団結を破壊する夫婦別姓法案といった、国家解体を狙ったとしか言いようのない法案を実現しようとする民主党のイデオロギーの危険性を感じた結果と見るべきではないか。
 現政権を構成する主要メンバーの身上を見れば、市民運動家だった故市川房枝の秘書であった菅総理は、フェミニズムを盾にした急進思想と、逆差別の独裁を思想的に容認するよう洗脳されてきたことは想像に難くない。厚生大臣として薬害エイズ問題を解決した功績の背景には、夫人の強力な影響力と支配があったとも伝えられる。
 政敵となった小沢一派はもちろん、国民から批判されているにも関わらず、落選しながらも法務相として居座る千葉景子大臣も、かつては過激派の活動家として知られる。下野した立場にありながら、その留任を賞賛した社民党の福島みずほ党首などは、さしずめフェミニストの同志でもあろう。
 参議院議員のトップに立つ輿石東議員会長は、かつて山梨教組の委員長でもあり、教職員組合が支持基盤である。日教組といえば、とりわけ過激なトップ3は北海道と山梨、広島である。北海道は主任制問題を巡る団交で、時の教育長を軟禁状態にし、病院送りにした。山梨、広島教組などは、卒業式での国旗掲揚、国歌斉唱をめぐって、何人もの真面目で熱意ある学校長を自殺に追いやってきた。「君が代」の代わりに「インターナショナル」でも斉唱していれば、満足なのだろうか。
 さらに広島高教組などは、修学旅行先を韓国として、訪問した高校生たちに、従軍慰安婦を自称する女性の講話を聞かせて土下座させるという思想犯罪ともいうべき暴挙を犯している。それだけでなく、国連総会で女子生徒に「学校側が生徒に制服を強制するのは反民主的」などとするスピーチを演出するという愚挙に出た。各国代表が唖然とし、見かねた当時のアナン事務総長からは「制服を着たくても、着られないほど貧しい子供達が、世界にはたくさんいる」とたしなめられる始末である。
 そして極め付きは、7月7日の仙谷官房長官の記者会見で、すでに昭和40年の日韓基本条約にもとづき賠償済みとなっている韓国への戦時補償を、さらに韓国国民一人一人に対して補償する交渉の可能性に言及したことである。消費税増税は、そのための財源とするのが隠された真意ではないかと、国民が勘ぐるのも当然ではないだろうか。
 鳩山政権下で強引に決定し、海外在住の外人児童にまでばらまかれた子供手当について、良識ある在日外国人たちは、レートの高い日本円の13,000円は、自国では家族をまるごと養えるほどの金額。他国には他国なりの保護制度があるのに、なぜ日本国民が経済破綻で困窮している中で、他国の人間にまで支給する必要があるのかと首をひねった。
 こうした反動的政権構造による一連の政策を冷静に見た場合、日本国民の築いた国富を他国に譲渡して自国民を疲弊させ、弱体化させることで他国による支配力や影響力を強めようという売国政策の悪意を感じない方が、異常ではないだろうか。


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