DECEMBER . 2017

路地裏問答

 高まる北朝鮮の危険に備えるため、11月に行われたトランプ米大統領のアジア歴訪は様々なトピックを残したが、その一挙手一投足を注視する世界各国の国民や政府関係者にとって、何よりも印象に残った珍事は、韓国の外交儀礼を踏み外した非常識接待だろう。

 7日に主催されたトランプ大統領の歓迎夕食会で、特に耳目を引いたのは、竹島近海で密漁されたボタンエビを「独島エビ」などと偽証したメニューだろう。意図は明白で、竹島に対する虚偽の領有権を、覇権国に容認してもらおうとの卑しい下心である。

 また、夕食会には元慰安婦までが招待され、大統領とハグを行った。この意図も明白で、強制連行されたとする偽証に、覇権国が騙されることを狙った下卑た工作である。これを見た諸国民は、ネットで様々な感想を書き込んだ。「日本は伊勢エビを食わせたが、韓国はザリガニを食わせた」、「国賓を売春婦が接待」など、鋭い批判が目立った。

 そして、トランプ大統領の滞在日数は、日中は二泊三日であったのに対し、韓国はわずか一泊二日でしかなく、国内のムードは日中とも歓迎的だったのに対し、韓国内は反米・反トランプ一色で、抗議集会が繰り返されたのみならず、宿泊先への帰路の路上に物が投げ込まれ、大統領の車列がルート変更を余儀なくされるという異常事態となった。

 さらには、深夜にトランプ大統領の宿泊するハイアットホテル周辺に集まり、睡眠妨害集会として大声で騒ぎ、うち女性二人が警備をかいくぐってロビーにまで押し入り、反米を叫ぶなど正気の沙汰ではない様相であった。対北強行派のトランプ氏に対し、これほどまでに敵視するよう扇動するのは、北朝鮮の工作員としか思われない。

 国賓の接待に元売春婦を同席させ、メニューには密漁品。対北対策のための外交を、日本タカりのための反日に利用した稚拙過ぎる非常識外交に、トランプ大統領の見せる笑顔が引きつっていたのを、従北派と目される文大統領はどのように観察したのか。元売春婦とハグする夫を、メラニア夫人はどんな思いで眺めただろうか。しかも、この慰安婦は各地のTHAAD反対活動に参加しているというから、韓国政府の悪意すら感じられる。果たして、日頃から表情の硬いメラニア夫人が、安倍昭恵夫人とともに輝くような満面の笑顔で真珠の宝飾店でのショッピングをした時とは対照的に、いつもの硬い表情に戻っていた。

 しかしこれ以降、韓国内では他の食材や日用品に至るまで、すべてに「独島」の名を冠した嫌がらせ製品が出回るようになった。だが、冷静に考えれば、竹島が史実として真に韓国領であるならば、なぜわざわざ韓国領などと内外に宣伝する必要があるのか。例えば、日本は「佐渡島は日本領です」などと、わざわざアピールはしない。国際的な認知があるからである。だが、竹島については、終戦処理において、韓国の竹島への領有権主張はラスク書簡で否定され、日本国と交戦するどころか、日本国の一部として敗戦した韓国は、サンフランシスコ講和条約への署名も拒否されたという明白な史実がある。

 一方、慰安婦の強制性については、強制を禁じた内務省の発令に基づき、強制連行し、人身売買をしていた朝鮮人の悪徳業者を日本軍や日本警察が取り締まっており、また終戦直前に戦地から撤退する日本軍に追従していた慰安婦への、米軍による聴き取り調査では、厚遇を以て処遇された職業売春婦であるとの供述や、身の自由も保障されていたとの証言から、性奴隷などではないことが判明していた。さらに2007年に米政府がまとめた日独の戦争犯罪に関するIWG報告書では、日本政府や軍による強制連行を証明する記録はなかったことが言明されている。

 これだけの明白な証拠に対して、韓国側が示す反証といえば、唯一「元慰安婦の偽証」だけである。こうしたいかがわしさが、むしろこれまで無関心だった各国民の関心を喚起してしまい、真相を確認する動勢となっている。そして、その結果は言うまでもあるまい。世界に向けて虚偽を発信し続けてきた韓国が、騒げば騒ぐほど信用を落とす一方となり、藪蛇にしかなっていない。嘘で身を滅ぼす、見るも哀れで不誠実な国民と国家である。




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