建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年9月号〉

寄稿

特集・日本道路公団北海道支社 No.2

長万部工事事務所管内の事業概要

日本道路公団北海道支社 長万部工事事務所長 小林 進

小林 進 こばやし・すすむ
昭和23年 1月20日生まれ、県立中之條高校昭和41年卒、群馬県出身
昭和41年 4月 日本道路公団入社
昭和59年 7月 東京第一建設局建設第二部技術第三課長代理
昭和61年11月 東京第二管理局技術部補修第一課長代理
平成元年 8月 仙台建設局郡山工事事務所中山工事区工事長
平成 3年11月 本社建設第一部東京湾横断道路室長代理
平成 5年11月 仙台建設局建設部技術第一課長
平成 8年 7月 東京第三管理局八王子管理事務所副所長
平成11年11月 北海道支社長万部工事事務所長
<担当区間>
長万部から八雲、さらには函館に通ずる道南の主要な交通路は、現在のところ国道5号とjr函館本線のみである。このため、人や物資の高速、大量輸送及び緊急時や災害時のライフラインの役割を担う主要基幹道路として国道5号と並行する高速道路の整備が強く要望されている地域である。
このような背景の中で、長万部工事事務所はすでに開通している札幌〜長万部間に続き、将来は函館に至る北海道縦貫自動車道の一部として国縫ic〜長万部ic間の約11.1kmと八雲ic〜国縫ic間の約21.7km、及び八雲ic〜遊楽部川左岸間の約0.5kmの合計33.3kmを建設している。このうち、長万部ic〜国縫ic間については平成13年度開通の予定である。
<進捗状況>
当管内は噴火湾沿いの海岸段丘に沿って建設されているため、トンネルや長大河川を横過する橋梁がないことから土工比率が97%と非常に高く、土工工事が主体となっている。
工事の進捗状況では国縫〜長万部間で、土工工事が約9割の進捗率であり、今後は供用に向けて舗装工事、施設工事を鋭意施工中である。また、八雲〜国縫間では土工工事が約7割、橋梁工事は約5割の進捗をみており工事最盛期を迎えている。
<課題>
工事の特色では530万立方メートルの切土を行い、土運搬するが、その沿線には酪農地帯が広がっている。乳牛は大きな音や振動に敏感で乳の出方が悪くなったり、子牛の成長が阻害されたりする場合がある。こうした被害を未然に防止するため、獣医師を講師に招いて講演を受けたり、現地を視察してもらい工事に関するアドバイスを受け、牧場付近でのダンプのスピードダウンの敢行と、削岩など大きな音や振動がでる工事では時間帯を選んで作業を行う等の配慮をしている。
<自然環境>
当管内は中小河川が複数あり、この川にはシシャモやキュウリウオなどの小型魚や鮭が遡上する。橋梁工事では工事に伴う水質汚濁を防ぐため、現場から発生する泥水は沈殿池や化学的処理を行ってから放流するなど河川環境に配慮しながら工事を進めている。
最後に、当管内は海霧の影響などにより夏は冷涼で、また比較的降水量も多いなど、必ずしも気象条件は良くないが、全面展開している各工事の調整を図り、事業の促進に努めながら、より一層工事の安全・品質管理の向上を図っていきたい。
地元をはじめとする道南地域の高速道路早期開通の期待に応え、北海道縦貫自動車道の南伸に、事務所職員、各施工業者一丸となって事業を進めてまいります。
(本文中の進捗状況等は平成13年7月末現在)
▲花浦北工事 ▲シラリカ川橋(PC上部工)工事


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