建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2001年8月号〉

寄稿

特集・日本道路公団北海道支社 No.2

千歳工事事務所管内の事業概要

日本道路公団北海道支社 千歳工事事務所長 梅田 雄康 氏

梅田 雄康 うめだ・たけやす
昭和31年 1月18日生まれ、京都大院(交通土木工)昭和55年卒、岐阜県出身
昭和56年 4月日本道路公団入社
平成元年 7月大阪管理局技術部交通技術課長代理
平成 4年11月大阪建設局神戸工事事務所神戸東工事区工事長
平成 6年 8月本社建設第一部建設第二課長代理
平成 7年11月東京第一管理局保全部保全企画課長
平成11年2月北海道支社千歳工事事務所長
北海道横断自動車道 夕張〜占冠 地元設計協議開始 余市〜小樽 調査報告に向けて

<担当区間>

 千歳工事事務所は、北海道横断自動車道夕張〜占冠間(l=36.8km)の建設と平成11年12月に整備計画策定された余市〜小樽間(l=24km)の調査を担当している。
【夕張〜占冠間】

<路線の概要>

 路線は道路規格が第1種2級、設計速度は100km/hで、暫定2車線施工を行う。インターチェンジは、一般国道路274号に接続する夕張icを起点に、町道新登川線に接続する穂別ic(仮称)、一般国道237号に接続する占冠ic(仮称)である。

<課題>

 本路線は、日高山脈、夕張山地を通過する本格的な山岳地域の高速道路である。このため、4,000m級の長大トンネルが3本あり、トンネルと橋梁をあわせた構造物比率は50%を越える。技術的課題として、地すべり対策と蛇紋岩地質のなかのトンネル掘削があげられる。穂別町新登川地区では、蝦夷累層の中に滝の上層と蛇紋岩、蛇紋岩地すべり堆積物が分布している。特に、蛇紋岩地帯では、膨張性地圧や大規模な地すべりの発生が懸念される。占冠村ニニウ地区では、主に日高累層、蛇紋岩、滝の上層が、路線を南北に直交するように、縞状に分布する。現在、地滑りを対象として、学識経験者からなる検討会を組織して対策を検討している。また、路線延長の約70%を国有林、道有林が占め、その内の約半分が保安林となっている。保安林解除の時期が工事行程に大きく影響するため、関係機関との綿密な協議・調整を要する。
 夕張〜十勝清水間の事業は、道央圏と十勝・道東圏の交流を活性化し、北海道の産業、経済、市民生活に大きく貢献することが期待されている。

<北海道グッドロード計画>

 夕張〜占冠間は、道内でも自然が豊かであるとされる日高山系を横断する道路である。千歳工事事務所では、北海道の雄大な自然にとけこんだ、北海道らしい付加価値のある魅力的な高速道路づくりを目指し、設計を進めている。

<図面のデジタル化>

 地元協議用の図面は、測量で得られたデジタルマップを利用し、cadを用いて全面的にデジタル化した。今後も、巾杭、用地測量結果をデジタル化し、建設から維持管理段階まで、一貫して使える図面とし、情報の共有、業務の効率、ペーパーレス化に貢献させたい。

<進捗状況>

 平成13年6月から地元協議を開始した。その他、地すべり箇所の土質調査、地すべり対策工の検討を行うとともに、地元の了解が得られたところから順次巾杭設計、巾杭設置、用地測量にとりかかる予定である。
【余市〜小樽間】

<路線概要>

 路線は道路規格が第1種2級、設計速度は100km/hで、暫定2車線施工を行う。インターチェンジは、道道登余市停車場線に接続する余市ic(仮称)、道道小樽環状線に接続する小樽西ic(仮称)である。ジャンクションは北海道横断自動車道(札樽自動車道)に接続する小樽jct(仮称)である。

<進捗状況>

 路線は、平成11年12月10日に都市計画決定された。同年12月24日に整備計画が策定され、同日付で国土交通省からjhに対し調査指示があった。現在、道路概略設計等の必要な調査検討と猛禽類等の鳥類調査を進めながら、調査報告へ向けて関係機関との協議調整を実施している。
(本文中の進捗状況等は平成13年6月末現在)


▲占冠村付近 ▲夕張IC


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