国際会議「第2回国際会議 河川情報システム」


「河川情報システムに関する専門家会議」が札幌で開催


社会動向に合わせた高度な河川情報システム構築を目指す

 9月30日、10月1日の両日に札幌市内のホテルで、財団法人・河川情報センターが主催する河川防災と情報システムについて協議する国際会議「第2回河川情報システムに関する専門家会議」が開催された。
 これは、日本と気象条件などが類似する近隣アジア諸国・地域の専門家らの協力を得て、各国・地域の河川情報システム整備についての情報交換を行うとともに、気象・水文観測施設整備の方針、流域住民への情報提供のあり方、洪水予測、土砂災害予測など、広範なテーマに渡って討議するもの。2年ごとに開催されることになっており、初会合は1994年に行われた。
 今回も引き続き、日本のほかアメリカ、韓国、台湾、中国、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ネパール、バングラデシュなど、各国の行政官や学識経験者など河川に関する専門家20人が参加。アメリカの地質調査所水文データベースシステム技師長・トーマス・H・ヨーク氏の基調講演に続いて 一人20分の持ち時間で講演を行った。
 テーマを国別に見ると、アメリカはヨーク氏の基調講演「北米における河川情報システムの発展と情報配信」。日本は建設省河川局河川計画課長・吉岡和徳氏の「日本の河川行政と情報」、建設省北陸地方建設局河川部長・山崎丈夫氏の「平成7年北信越豪雨災害と情報」、国土庁防災局震災対策課長・橋本健氏の「地震防災情報システム(DIS/EARTHQUAKES)の整備について」など。
 中国では水利省水文局化学技術課長・サイ・クージャン氏の「河川リアルタイム予測総合分析システム」、韓国は建設交通部漢江洪水統制所調査課長・パク・ヨンイル氏の「水利用データベースシステムの開発と利用」、台湾は台湾省水利局企画課技師・リン・ホイジョウ氏の「台湾における電子化された水文データの応用(地域地理情報システムの構築)」、フィリピンでは公共事業道路省ピナツボ緊急対策局長・フロランテ・ソリケス氏の「ピナツボ山における火山性泥流について」、マレーシアは農業省かんがい排水局河川部上級技師・チュー・チャイ・ファット氏の「マレーシアにおける河川情報システムの構築」、タイはバンコク首都圏庁排水下水局排水システム開発部長・ソムサック・クランポック氏の「洪水防御センターの発展」、バングラディッシュでは統合河川委員長・ルトゥフール・ラフマン氏の「バングラディッシュにおける河川及び水文データベースの現状と課題」、ネパールは水資源省水文気象局長・キラン・シャンカール氏の「ネパールにおける河川情報システムの発展」、インドネシアは公共事業省水資源総局技術局河川部長・クトゥット・カレル氏の「メラピ山地域における洪水及び泥流予測システムの将来」となっている。
 日本の阪神・淡路大震災に代表される大きな自然災害発生時の危機管理手段として、情報システムの重要性と役割が関心を持たれている背景から、どれも興味深い内容となっている。だが、本誌では特に、我が国の河川・治水行政とその情報システムの構築を主管する建設省の吉岡和徳河川計画課長による講演の全文を紹介する。


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