建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2004年2月号〉

特集・港湾新時代〜世界の港湾立国へ〜

アジア経済のゲートウェイとして国際交流の先導役を目指す

九州・関門地域の港湾・空港整備事業 アジア圏の中核輸送基地として大きな期待

国土交通省 九州地方整備局

九州・関門地域は、地理的な優位性からアジア諸国との取扱貨物量が全体の6割以上を占めるゲートウェイである。地域の外貿コンテナ貨物量は10年前の約3倍の伸びを見せており、アジア圏の中核輸送基地としても大きな期待が寄せられている。
この地域の特定重要港湾は下関港、北九州港、博多港の3港、重要港湾としては25港が指定されているほか、開発保全航路としては関門航路、平戸・瀬戸航路をはじめとする5航路が指定されている。
また、管内には23の空港があり全国空港数の約24%を占めている。より早く、より遠くへ確実に輸送出来る手段として、国際経済のボーダレス化と共に、アジアをはじめとする諸外国との交流促進が期待される。
▲鹿児島港(本港区)北埠頭
東アジアとの一体的発展に向けた国際交流を先導
躍動する環黄海経済圏を背景に国際分業体制が進む今日、東アジアにおいては日韓中における物流の重要性が高まり、同時にこれに伴ったビジネスや観光などの人的交流の需要も増加している。
九州・関門地域は様々な経済圏の核として、東アジアとの一体的な発展、ひいては欧米との交易促進に向けた国際交流の先導役となることを目指す。
この国際輸送を円滑にするため、諸手続のワンストップサービス化や光ファイバーなど情報化ツールを活用した効率的な港湾管理・運営、it技術を活かした海のハイウェイネットワークの構築を図っている。
港湾環境整備事業
港湾環境整備では、「環境と共生する港湾」(エコポート)を目指し、現在では閉鎖性水域の水底質の改善を図るための海域環境創造・自然再生事業や船舶航行の安全確保、海域環境と保全を図るための海洋環境整備事業などに取り組んでいる。
また、九州・関門地域の沿岸域は玄界灘や周防灘、有明海など、海生生物や鳥類などの生態・育成の貴重な場である。この優れた自然環境を次世代に受け渡すため干潟、浅場の保全、創造、復元や海上のゴミ、油の回収など海域環境改善に積極的に取り組むと共に、地球環境の保護のため、二酸化炭素の削減や未利用エネルギー、クリーンエネルギーの開発、リサイクルの静脈物流ネットワークの構築を推進していく。
さらに温暖な気候と自然を有し、釣り・ヨットなど海洋性レクリエーションに適した環境であることから「みなと」に緑地や海浜を整備し、人々が海に親しむ賑わいのある空間の創造に取り組む。
海生生物や野鳥の重要な生息場所となっている海岸や周辺の自然環境との調和を図る海岸では、施設の構造や工法の工夫、干潟や磯の創出を行い、豊かな海辺環境を形成する。
▲白鶴浜(熊本県・高浜港) ▲台風の脅威
災害に備えた基盤整備
九州・関門地域は台風などによる高潮被害の多発地帯である。そのため海岸整備を図るとともに、被災時には河川・道路と連携しつつ被災状況をすばやくキャッチする防災情報ネットワークの整備に取り組む。
海上交通がライフラインとなっている離島では、防波堤などを整備することで港湾区域内の静穏度向上に努め、離島の活性化のために地域交流を促す施設の整備を展開する。
福岡県内の港湾・空港整備事業
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