建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2004年2月号〉

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特集・港湾新時代〜世界の港湾立国へ〜

北部九州と世界を結び、地域の産業・文化の発展に貢献

北部九州地域のくらしと経済を支える福岡県内の港湾・空港

国土交通省 九州地方整備局 福岡県内の港湾・空港整備

▲博多港 ▲博多港アイランドシティ
博多港湾・空港整備事務所
博多港湾・空港整備事務所は中枢国際港湾・博多港を中心とする港湾・空港整備を行っている。
現在進められている主な事業としては博多港で「アイランドシティ計画」が進行中だ。この計画は博多湾東部地域に人工島方式による広い土地を確保し、港湾・産業集積用地・住宅・緑地などを配置した「働き・暮らし・遊ぶ」という3つの生活シーンが調和したまちづくり計画であり、国際都市に必要な港湾機能の強化や研究・開発、産業機能の強化、さらには様々な人が快適に生活できる住環境を構築することを目的に整備が進められている。
工事は大きく分けて埋立地の外周を囲む護岸・岸壁などの築造工事と浚渫土砂、公共残土による埋立工事、さらには地盤改良や道路、下水道などの工事から成り、橋梁工事についてもこれらの工事と並行して行っている。既に平成14年度には東部地域の交通緩和を図る、香椎パークポート、海の中道を一直線に結ぶ道路の一部が供用され、これに併せて土地の分譲も開始。さらに今年度は外貿ターミナルの供用が開始され、国際ハブ港湾『博多港』の実現を目指した取り組みが着々と進んでいる。
北九州港湾・空港整備事務所
北九州港湾・空港整備事務所は、外貿コンテナ貨物量第7位を誇る北九州港と新北九州空港の整備を行っている。
北九州港は第9次7ヶ年計画で21世紀大交流時代の4大中枢港湾に位置づけられており、現在は響灘地区に大水深コンテナターミナルの整備が進捗中だ。事業は-15m岸壁2バース、-15m泊地、-16m航路、堤体延長300mを確保する東防波堤の工事が進んでおり、平成16年の供用を予定している。さらにこの整備に伴い、響灘地区から戸畑・小倉方面へのスムーズな交通アクセスと、背後圏との定時性・高速性を確保するため、新若戸道路の整備が進められている。
また、北部九州圏域においては航空需要に対応するため、平成17年度の供用を目指し、現空港の沖合に2,500mの滑走路を有する「新北九州空港」の整備が進められている。
▲北九州港 響灘地区全体構想 ▲新北九州空港イメージ図
▲苅田港本港地区 多目的国際ターミナルの計画

▲関門航路
苅田港湾事務所
苅田港は九州の港の中で6番目の貨物取扱量を誇る港であり、現在は本港地区で大型岸壁の整備が進捗中だ。これは4万トン級の大型船が接岸できる-13m岸壁と、その背後に貨物取扱などを行う埠頭用地を整備するもので、貨物の増大や船舶の大型化に対応し、経済的な貨物輸送を実現する多目的国際ターミナルとなる。
また、新松山地区では平成17年度供用開始予定の新北九州空港と連携して地元の産業育成を図るため、新たに167haの埋立地の造成と公共岸壁の整備を行い、陸・空・海の連携の実現を図っている。さらに海域環境を改善し、海辺の快適で潤い豊かな空間を造り出すことを目的として、「海域環境創造事業」(シーブルー事業)を推進している。
関門航路事務所
関門航路事務所は開発保全航路の開発と保全のための浚渫工事の実施、水域占有、航路水深の維持管理、大型浚渫兼油回収船「海翔丸」清掃兼油回収船「がんりゅう」による環境関連業務を行っている。
関門航路は狭隘で屈曲した急潮流の海上交通の難所であり、700隻/日の船舶と漁業活動が輻輳している。そこで航路増深計画として浚渫工事を行い、平成12年度までにおおむね-12mを確保。現在は平成25年度を目標に全面-13m化の工事が進められており、長期的には-14m化までを計画している。
浚渫した土砂は、世界ではじめてとなる砂分と粘土分に分ける「分級」を実施し、高能率・低コストを実現。「新北九州空港整備」などに有効活用を図っている。

福岡県港湾建設協会

会 長 上P純一 副会長 清原生郎
副会長 岡 和男 副会長 菅野幸裕
副会長 高橋征司 副会長 山中 巌

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