建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2005年12月号〉

特集

豊かな環境都市の実現を目指す大阪府の下水道事業

持続的な発展を可能にする循環型社会の創出へ

大阪府は、「豊かな環境都市・大阪」の実現に向け、下水道がまちづくりに貢献するとともに、広く地球環境保全への役割を果たしていくことを念頭におき、「豊かで安心して暮らせるまちづくりと持続発展可能な循環型社会の創出」を基本理念とした、「21世紀の大阪府下水道整備基本計画」(roseplan)を進めている。この計画に基づき、土木部下水道課は、以下のような施策、事業を展開している。
■豊かできれいな水環境
川や海など公共用水域の水質をさらに改善し、泳げる川、泳げる海を大阪に取り戻すことを目指す。また、川の清らかな流れが育む人の心の癒し、安らぎ、潤いが感じられる水辺空間の甦生に取り組んでいる。
■雨に強い街づくり
雨による浸水被害を減らし、府民が安全で安心して暮らせる大阪を目指す。また、局地的な集中豪雨による都市型水害への対策も進める。
■暮らしやすい社会
「処理水」、「汚泥」などの活用や、下水道施設の多目的な利用を提案し、ゴミ問題などに対して暮らしの便利さ、快適さの実現に貢献する。また環境ホルモン、地球温暖化など新たな環境問題に対して、下水道の観点から対策を進めていく。
■循環型の街づくり
市場性や費用対効果などを考慮しながら、処理水や汚泥など下水道資源の100%有効利用を図る。また処理場などの空間を利用した新たなエネルギー創造を実現し、下水道資源を活用した循環型の街づくリを目指す。
■暮らしを支える維持管理
IT化による維持管理の高度化を図り、機能向上による省エネ、コスト縮減など高度化、効率化を図る。また、大阪湾の水質改善など広域的な取り組みに対し、一元的に管理できる体制づくりを目指すと同時に、直下型地震や集中豪雨による水害など、大規模災害時における危機管理体制の充実を図る。
こうした地域ビジョンに基づいて、府内を4つのエリアに分け、向こう10年間の重点項目、整備目標など、各地域の現状やニーズなどを踏まえた地域ビジヨンを策定し、地域の特色にあった事業展開を、市町村と連携を図りながら取り組んでいる。
北大阪地域の重点目標
雨水対策は、10年に一度の大雨に対する雨水整備概成、都市型水害対策を実施。汚水対策は、概ね整備を完了し水辺の甦生。
大阪市・東大阪地域
雨水対策は、10年に一度の大雨に対する雨水整備推進、都市型水害対策を実施。汚水対策は概ね整備が完了し、水循環系を再生。
南河内地域
雨水対策は、10年に一度の大雨に対する雨水整備を推進し、汚水対策は普及率約85%を目標とする。
泉州地域
雨水対策は、10年に一度の大雨に対する雨水整備を推進し、汚水対策は普及率約90%を目標とする。
【大阪府 北部流域下水道事務所】
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