平成16年北海道首長選挙結果

 

任期途中の波乱ずくめの道内首長選挙戦

参院選の票の取りまとめで現職首長相継いで逮捕

失職(道庁OB)と引責辞職も2村で起きる

 

市長選挙  美唄市で道庁OBが屈辱の敗退

今年の首長選挙は44市町村で行われ、市長選挙は4市で行われた。美唄市は8年ぶりの市長選挙(9月12日投票)となり、新人の桜井道夫(54歳)同市企画財政部長が、道庁OBで現職の坂井紘一郎氏の3選を阻み初当選を果たした。

歌志内市は、現職の河原敬(73歳)が勇退し、後継の泉谷和美(63歳)同市前助役が、無投票(10月10日告示)で市長就任。そのほかの市長選挙では、登別市の上野昇(69歳)市長が、同じく無投票(8月1日告示)で5選を果たし、名寄市の島多慶志(66歳)市長も、無投票(10月17日告示)で3選を果たした。

 

町村長選挙  任期を全うできない首長が多い

町村長選挙では、38町村の内11町村で選挙が行われ、残りの27町村が無競争だった。現職の町長が公選法違反で逮捕され、出直しに伴う選挙が2町。首長失職と引責辞任の村長選挙が2村。総会の挨拶後に倒れ、急死に伴う町長選挙が1町など波乱に充ちた任期途中での首長選挙が執行された。

月形町では任期満了に伴う町長選挙(平成16年4月18日投票)が行われ、現職の奥山功(61歳・1期)町長が、新人の桜庭誠二(53歳)前町議に178票差で競り勝ったが、その約3ヶ月後に、再選した同氏が参議院選挙(7月11日投票)で公職選挙法違反(特定公務員の選挙活動禁止・事前運動)の疑いで逮捕(8月6日)された。10月3日に出直し選挙が行われ前回立候補し落選した桜庭氏が返り咲いた。

また、4ヶ月半後に市町村合併を控えていた、南茅部町の飯田満(67歳・6期・任期満了は平成19年8月20日)町長も同じ参議院選挙で、票の取りまとめを依頼した公務員の地位利用の疑いで逮捕(7月16日)された。8月29日の投開票では、現職後任の細井徹(61歳)助役が初当選を果たしたが、函館市など4市町村の合併(12月1日)で同新町長の任期は平成16年12月1日まで。

道庁OBの洞爺村長の佐藤克之(64歳・2期)氏が3月10日、二度の不信任決議案可決(村長は合併への姿勢が消極すぎる)で失職し、菊地勉(57歳)同村前助役が、無投票(4月20日)で村長に就任した。

占冠村の原淳二(71歳・2期)村長は、観光リゾート施設を巡る問題で引責辞任(6月8日)。村内の争いを嫌った村民が、小林豊(54歳)同村前総務課長の立候補を容認し、無競争で(7月20日)で村長を新任した。

松前町の現職の松村明夫(63歳・2期)町長が2月27日、松前観光協会総会で挨拶直後に倒れ、急死した。後継には平成15年11月に無所属で衆院選に出馬し落選した前田一男(37歳・自民党森派)道庁OBが出馬を要請され、無投票(4月4日告示)で当選。同氏は、道内最年少の町長に就任した。

 

身内の役場内から多選阻止、ベテラン首長勇退

鶴居村の現職の錠者和三郎(76歳)村長は、一度は8選を目指して出馬表明。その後、部下の日野正志(57歳)産業課長が立候補の意向を明らかにした段階で、現職が出馬を撤回し多選の批判をかわした。同村長選は新人の日野氏が無投票(4月20日の告示)で村長に就任している。

道庁OBの中標津町長の新出実(74歳・3期)氏が6月14日、今期限りの勇退を表明。同氏の路線を継承する西沢雄一(61歳)同町前議長が、同じ新人候補に大差をつけて初当選(8月29日投票)を果たした。

 

現職の道庁OBが元道議会議長に敗れる

現職が敗れたのは3町であり。静内町は、道庁OBで現職の沢田芳晴(56歳・1期)町長が、新人で元道議会議長を務め昨年の知事選で立候補し落選した酒井芳秀(59歳)氏に492票差(8月22日投票)で敗れ、現職の座を奪われた。

7月11日に行われた、喜茂別町長選挙は、現職の津谷正明(57歳・3期)町長が、新人の菅原章嗣(50歳)会社社長にわずか37票差で敗れ。当選した菅原氏は再度挑戦で雪辱を果たした。また、真狩村の現職の筒井末美(55歳・1期)村長は、佐々木和見(52歳)前同村議会議員に敗退(11月7日投票)した。

今年の市町村長選挙で、道庁出身OB4人が首長から去った。

 

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