〈建設グラフ1999年12月号〉


横須賀市・ホームページに工事名、入札条件を公告


http://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/j/business/keiyaku.html 横須賀市工事発注状況掲示板

 神奈川県横須賀市は、公共建設工事の入札発注システムを改正し、今年度からインターネットを通じて公告し、郵便局留めで申請を受け付けて行う方式に変更した。これは来る建設CALS導入への経過措置として行われているもの。10年7月に構築され、この4月からスタートしている。
 これまでは、掲示板に工事公告を貼り出し、工事説明会を開き、参加希望業者が入札室に集合して入札箱に工事金額を示した札を投じるという手順で行われてきた。
 この4月からは、横須賀市のインターネット・ホームページに設けられた掲示板に工事名、入札条件などを公告。ただし、工事概要は、設計金額が500万円以上のものについてのみ掲示。そして、設計図書の閲覧は昨年10月18日の掲載分をもって廃止した。また、予定価格は、この8月23日掲載分から非公開となっている。
 応札する場合は申請書、入札書を同ホームページからプリンターで印刷したものに会社名、工事金額など必要事項を記入し、申請書をFAXで送信した後、入札書を書留郵便、簡易書留郵便、配達記録郵便のいずれかで、郵便局留めで発送する。申請書には過去の工事実績を添付する事も可能で、越年型の大規模工事では、すでに受注している工区についての実績などを添付することもできる。入札書の郵送に当たっては、契約課で配布する指定封筒を使用する。
 入札価格の最低制限価格は、予定価格の85%(100円以下切り捨て)となっている。締め切りは、500万円以下の工事の場合は、月曜日に工事公告し、金曜日に参加申請書を締め切り、入札書は翌週月曜日に必着としている。辞退する場合は、入札書到着期限日までに、任意の様式で辞退届を、FAX送信するか契約課へ電話連絡する。
 こうした手続きを経て、市は、関係者3人までを入札の代表立会人として入札を行い、その結果を再度、翌日に同ホームページに開札情報として、予定価格、入札制限価格も併せて掲示するという手順になっている。
 一方、工事受注希望型指名競争入札については、単独入札の場合はFAX、企業体の場合は従来通りの持参で申請書を受け付ける。この際、市側の判断により申請書だけでなく、配置予定技術者調書、業務実績を証明する書類の提出を求められる場合もある。
 参加申請の受付結果については、入札書の到着期限の翌日にホームページに掲載。入札書の提出方法は同じく、指定局で局留め。
 工事その他に関する質問などは、任意の様式で質問書をFAX。回答もFAXで行われることになっている。また、落札後に提出する現場代理人と主任技術者などの届け出もFAXで送信する。
 この入札方式は、建築、土木などの工事案件にのみ適用されており、事務機、事務用品などの物品購入契約には適用されていない。
 これによって、企業営業者と発注担当者が顔を合わせて相談することはなくなり、工事契約の公平性、透明性が高まると期待される。また、企業側には営業経費の合理化が期待され、一方、発注者側には契約にかかる事務の合理化が期待されている。
 同市財政部契約課では「このシステムを基礎にして、建設CALSの全面導入に移行する」方針で、「12年には本格的なスタートを切りたいところだが、市内の中小建設会社にはコンピュータ導入が遅れているところもある。このため当面は大手建設会社が対象になるが、遅くとも13年度には、全企業を網羅すべく、全工事を対象に本格化させる」としている。
 なお、経営事項審査については、経営状況分析が7月に見直され、12年1月からは神奈川県県土整備部建設業課建設業審査班の発行する経営事項審査結果通知書の提出が義務づけられる。