〈建設グラフ2000年4月号〉札幌駅南口再開発事業 
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札幌駅南口総合開発ビル(仮称)新築工事はじまる 2003年春開業

坂本眞一JR北海道・札幌駅南口開発且ミ長(祈願祭後の祝賀会にて)

鋤を手にする事業主体の代表者ら。
左から藤田朝日生命保険社長、大森JR北海道会長、坂本札幌駅南口開発且ミ長、桑原レールシティ東開発且ミ長、宮ア日本鉄建公団国鉄清算事業本部長代表理事、奥田椛蜉ロ社長
鍬入れをする右から坂本社長、大森会長、藤田社長

 北海道の新たな玄関口誕生に向け、総事業費およそ一千億円にも及ぶビッグプロジェクトが始動し、記念すべき第一歩が記された。
 札幌駅南口総合開発ビル(仮称)新築工事の起工式となる合同安全祈願祭が去る1月12日、建設地ともなるJR札幌駅南口において行われた。
 出席したのは、施工主の札幌駅南口開発(社長・坂本眞一JR北海道社長)をはじめとした4社と、施工業者関係者ら約200人。
 祈願祭では、井上凱敬日本設計副会長ならびに内藤徹男社長が鎌を、また、大森義弘JR北海道会長、坂本眞一札幌駅南口開発社長、藤田譲朝日生命保険社長、奥田務大丸社長、宮ア達彦日本鉄道建設公団国鉄清算事業本部長代表理事、桑原彌介レールシティ東開発社長の6人が鍬を、野村哲也清水建設社長、梅田貞夫鹿島建設社長、竹中統一竹中工務店社長の3人が鋤をそれぞれに入れた。
 続いて、関係者の代表が神前に玉ぐしを捧げ、3カ年に及ぶ工事の安全と成功を祈った。
 この後に行われた祝賀会で坂本社長は、「政令指定都市では最後の駅前開発となり、参加各社の社運をかけた一大事業となる。開業に向け各社の徹底したノウハウを駆使し、道都の玄関口として恥ずかしくない開発を成し遂げたい」と力強く語った。
 同ビルは、延床面積27万4,000uで、JR北海道の子会社とJALホテルズが運営するホテルの入る地上38階建の高層棟と中層の中央棟をはじめ、店舗面積4万5,000u、道内最大の百貨店となる大丸が入る西棟で構成される。このほか、松竹、東宝、東映のシネマコンプレックス、「ラフォーレ原宿」をキーテナントとする商業施設、朝日生命保険が運営する貸しオフィスなどが入居することとなる。
 各工区における施工会社の内訳として、開発地区AとしたJR北海道、札幌南口開発、朝日生命保険発注のセンター・東工区は、センター工区の建築を清水建設・大成建設・伊藤組土建・大林組・フルーア・ダニエル・ジャパンJVが担当し、東工区の建築を鹿島建設・熊谷組・札建工業JVが担当。設備は、電気を日本電設・ドウデン・関電工・東光電氣JV、空調を高砂熱学・札幌交通機械・ダイダン・東洋熱工業JV、給排水を西原衛生・池田煖房・斎久工業JV、昇降機を日立製作所・三菱電機・フジテック・松下電器JVが両工区ともそれぞれに担当する。
 主な工事概要は、延べ18万9,000uを誇るRC、SRC、S造、地下3階地上38階建で、センター工区は札幌駅の顔となる中層棟部分で、商業施設、シネマコンプレックスなどが入り、東工区は、商業施設をはじめ、オフィス、ホテル、展望室、駐車場などが入る高層棟部分となる。総事業費約400億円。
 一方で、開発地区Bとなるレールシティ東開発発注の大丸札幌店は、建築を竹中工務店・大林組・熊谷組・伊藤組土建・鹿島建設・清水建設・戸田建設・札建工業JVが担当。設備は、電気をダイダン・きんでん・九電工・栗原工業・ドウデンJV、空調を三機工業・高砂熱学・札幌交通機械JV、衛生を三機工業・西原衛生・三建設備JV、昇降機を三菱電機・松下電器JVがそれぞれに担当する。
 主な工事概要は、RC、SRC、S造、地下4階地上9階建、延べ85,000u、駐車場約400台収容可能スペースなどを設ける。総事業費約350億円。



祝・起工式にあたって

JR北海道旅客鉄道株式会社
札幌駅南口開発株式会社 代表取締役社長 坂本 眞一

 平成2年9月の札幌駅付近鉄道高架化工事完了以来約10年間にわたり、検討を重ねて参りました南口開発ビル建設工事を、いよいよ工事に着手させて頂くこととなりました。
 この間、建設省、札幌市を始めと致しまして、御指導・御尽力を頂きました札幌駅周辺地区整備構想委員会、市の街づくり委員会、渡辺先生を座長とする建設委員会、各種御評定を頂いた地下街連絡協議会等、関係各位の皆々様に、改めて心から感謝申し上げます。
 当プロジェクトは、全国政令指定都市の主要駅で最後に残された駅周辺開発であり、又昨今の経済状勢の厳しい中、JR北海道はもとより参加される各企業におきましても社運をかけた事業であります。
 今後、平成15年春の開業に向けまして、ソフト面におきましても、これまでの開発事例を参考に各社のノウハウを結集し、皆様のお役に立つ、道都の玄関口として恥ずかしくない開発を進めて参る所存であります。
 皆様方には今後とも更なる御指導、御鞭擁を宜しくお願い申し上げます。
 又、これから3年余りの間、工事に際しまして大変御迷惑をおかけ致しますが、安全・環境対策面等につきまして、最大限の配慮で望む覚悟でございますので、何卒御協力の程宜しくお願い申し上げます。
 最後にこのプロジェクトが札幌市、更には北海道全体の活性化に多少なりとも寄与できますことを心から祈念致しまして、感謝の言葉にかえさせて頂きます。