建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2002年2月号〉

シリーズ・コシヒカリのふるさと
新潟県の農業農村整備


棚田で営まれる伝統的な稲作

十日町農地事務所

 十日町農地事務所は、大河・信濃川の中流域に位置し、新潟県南東部の十日町市、及び中魚沼郡川西町、津南町、中里村を所管する。信濃川を中央にして左右は河岸段丘を形成し、その背後には丘陵性山地が連なり、南西部で長野県と接している。新潟平野のかんがい用水、長岡市などの上水道用水の水供給地帯ともなっている地域である。
 この地域は日本でも有数の豪雪地帯であり、平年の最大積雪深は十日町市内で240cm。山間地ではこれを上回る積雪状況である。
 産業は古くから織物が盛んで、日本の伝統的な服飾文化をつくり出す個性的な産地を目指している。
 農業は河岸段丘上に広がる農地及び丘陵地に点在する棚田で営まれており、伝統的な稲作技術をはじめとして地域特性を生かした産物を生産。魚沼産コシヒカリを基幹として、葉たばこ、高冷地野菜、花卉園芸品、畜産物、林産物との複合経営も盛んだ。
 農業基盤の整備は昭和40年代から河岸段丘上の農地を主体に、用水改良、ほ場整備、国営農地開発が始まり、今日、地域では平場と呼ばれている農地の整備はほぼ完了に近い状況である。
 しかし、管内は水源確保のために古くからため池の利用、渓流からの取水に頼っており、これらの水利施設の老朽化が進行している。
 このため、ため池等整備事業、防災ダム事業などにより基幹水利施設の保全整備をはかっており、また、過疎高齢化の著しい中山間地の整備が遅れているため中山間地総合整備事業、農地環境整備事業などで基盤整備及び生活環境整備を行い、地域活性化を推進している。
 過去に実施されたほ場整備地区は施設の老朽化、暗渠排水効果の減退がみられ、生産調整による転作に対応するため、用水のパイプライン化及び暗渠排水等の施設更新を土地改良総合整備事業により実施している。
 同事務所では、厳しい農業情勢とはいえ、地域農業の継続と進展をめざし、積極的に農業農村整備事業を実施していく。


▲棚田での田植作業風景(中里村東田尻)

▲国営事業(農地開発事業)で造成された
畑地帯(津南町)

ボランティア活動として棚田をまもる人達を応援(棚田サポーター活動)しています! 

 中山間地域に段々に展開する田んぼを“棚田”といいます。ここでの耕作は多大な労力と時間がかかります。これが耕作放棄の一原因ともなっています。棚田は古来から先人が苦労して耕してきた田んぼで、素晴らしい景観と地すべり防止等の国土保全、カエル、ドジョウ、メダカ、ほたる等の生態系へのやさしさ等多面的機能を発揮しています。
 私たちは、これらの素晴らしい機能を持つ棚田の営農活動を支援するため、十日町市東枯木又地区で、ボランティア活動として農道や、水路、畦畔の草刈り、古代米生産にかかる減農薬のための手による田の草とり、手刈りによる稲刈り等の応援をしています。
 皆さんもボランティア活動に参加してみませんか?もちつき大会やソバ打ち体験、棚田ラン(マイペース耐久レース)等楽しい行事もいっぱいありますよ!また、古代米や魚沼産コシヒカリの販売も併せて行っています。

【お問い合わせ】
十日町農地事務所建設課 Tel 0257-57-5503まで