建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2002年1月号〉

シリーズ・コシヒカリのふるさと
新潟県の農業農村整備


魚沼産コシヒカリのふるさと

六日町農地事務所


▲県営かんがい排水事業・五十嵐地区

 六日町事務所の所管区域は、南魚沼郡一円の湯沢町、塩沢町、六日町及び大和町の4町で、東、南部の群馬県境は越後三山をはじめとする巻機、谷川連峰、苗場山等々の2,000 m級の山々に囲まれた豪雪地帯となっている。地域の中央部には、谷川岳(1,963.2m)を源流とする魚野川が南北に貫流し、その両岸に6,863haの耕地が開けている。管内の農業は魚沼ブランドのコシヒカリで有名な稲作が中心。
 農業基盤整備は、これまでに国営六日町地区開拓建設事業(昭和22年〜昭和35年)及び魚野川東部地区開拓建設事業(昭和40年〜昭和53年)をはじめとして、県営、団体営で各種の農業農村整備事業を実施。ほ場整備率は県内ではトップとなっている。
 現在では、主要県営事業として、かんがい排水事業3地区(魚野川東部地区1,046ha、五城地区1,240ha、五十嵐地区418ha)、ほ場整備事業3地区(水無川沿岸地区337ha、大倉桐沢地区37ha、城内南部地区29ha)、農道整備事業2地区、中山間地域総合整備事業1地区を実施中。
 また、団体営事業として、農業集落排水事業4地区、農村総合整備事業2地区及び基盤整備促進事業(農道及びかんがい排水)3地区等を実施しており、平成12年度では県営、団体営、県単の総計で45地区・約34億円の事業を実施した。
 しかし、事務所管内は耕地面積が総面積の8%程度。中山間豪雪地域の特性として戸別経営面積は零細で、農作業条件も悪い所が多い。今後は、こうした恵まれない自然条件の中で、若者の定住と農業の担い手育成による近代的農業の育成が課題だ。
 具体的には、省力・コスト低減に向けてのほ場の再整備(大型化)、高速交通体系に即応した基幹農道網の整備、さらには農村環境条件の向上を積極的に図っていく必要がある。

■主要事業

県営かんがい排水事業・五十嵐地区
 この地区は南魚沼郡塩沢町に位置し、信濃川支流・魚野川の右岸に広がる耕地を受益としている。
魚野川の水管橋は昭和47年に築造され、取水口を魚野川左岸石打発電所放水路の途中に設け、サイフォン形式で魚野川を渡河して受益地に用水を供給している施設であるが、施設の構造上、発電所の放流量変動に追随して送水量も変動し、所要の用水量を安定的に供給することが困難な施設となっている。そこで、本事業により、用水の送水方式を逆サイフォン形式に変更し、農業用水を安定的に供給するとともに、施設の維持管理費の低減を図る。
ほ場整備事業・城内南部地区
 この地区は、南魚沼郡六日町の北西側に位置し、田崎法音寺の集落に挟まれた水田地帯で10a〜20a区画の既整理地。しかし、水不足等水管理に支障がある他、地下水位が高い区域があるなど営農上著しく困難を来しているため農業経営上、生産基盤整備が急務となっている地区である。
農道整備事業・南魚東部地区
 この地域は塩沢町魚野川東部に位置する比較的平坦な地域である。地区中央は、ほ場整備事業、総合農地開発等の基盤整備を行ったが、1級河川・登川、串川と2河川が入り込んで農地を分断しているため、一貫性のある幹線農道を整備するものである。


▲湯沢町・アルプの里