〈建設グラフ2001年1月号〉

特集 建設省 北陸地方建設局


治水計画への住民参加を促進
情報公開に向けホームページ開設

胡桃山排水機場(新潟県豊栄市)

◆最後の頼みの綱は排水機

 いざ浸水の時には排水機場も、大きく貢献している。
 阿賀野川の右岸に位置する新潟県豊栄市は、福島潟から流れる新井郷川や阿賀野川の舟運の要衝として栄えた町だか、一方、海抜0メートルから5mという低地帯でもあるため、過去に幾多の内水湛水被害に見舞われてきた。
 昭和41年7月の水害では、湛水状態が長時間にわたったため、阿賀野川の右岸堤防の開削を余儀なくされたほどだった。
 そこで、53年に胡桃山排水機場が着工され、完成当初は30F/sで運用しながら、後に50F/sに増強された。
 この結果、平成10年8月の水害で、福島潟は雨水があふれ、周辺の農地は被害を受けたものの、能カアップした胡桃山排水機場が威力を発揮し、被害を最小限に止めることができた。

◆新規技術の導入と河川メセナにも積極的取り組み

 北陸地建は、施工の合理化、安全化、コスト縮減化に向けて、多自然型工法をはじめ、様々な新技術の導入と実用化に取り組んでいる。
 また、河川基本法の改正を受けて、本局及び全事務所においてホームページを開設するほか、資料館などの見学施設も増設するなど、情報公開に向けての取り組みもかなり積極的だ。
 さらに、治水計画への住民参加を促進するための門も広く開けており、多数のワークショップなども開催している(表参照)。

表−今後導入予定の新工法とテーマ
●河川事業
  @ 護岸施設の二次製品化
  A 堤防芝付けの合理化
  B 単独枠型木工沈床
  C 天然石PCパネル
  D 油圧自走式ゲート開閉装置
  E 堤防除草の省力化
  F 水上ブロック投入装置
  G粗朶沈床

●ダム事業
  @ ダム監査廊のプレキャスト化
  A 脱水ケーキの植生土壌化による再利用
  B圧縮力を加えた補強盛土工

●砂防事業
  @ 床堀省略化工法(ISM)
  A スーパー渠砂防堰堤
  B 砂防玉石ブロック(型枠兼用型)
  C自然石による巨石積工法

●海岸事業
  ・有脚式透過型突堤
表−資料館の設置・充実
新設 ・白山砂防科学館の起工(金沢工事)
・能越道建設館の開設(富山工事)
既設 ・関屋分水路資料館(信濃川下流工事)
・万代橋資料館(新潟国道工事)
・万代橋下流橋建設館(新潟国道工事)
・万代クロツシング(新潟国道工事)
・大河津資料館(信濃川工事)
・妙見記念館(信濃川工事)
・川の資料室(羽越工事)
・立山砂防カルデラ博物館(立山砂防工事)
・道の駅しらやまさん(金沢工事)
・ふれあいルーム横川(横川ダム工事)
・大川ダム資料館(阿賀川工事)
・神通砂防資料館(神通川砂防工事)
・三国川ダム資料館(三国川ダム管理)
・大町ダム資料館(大町ダム管理)
表−住民参加による施設整備計画
・梯川夢ワークショップ(金沢工事)
・大河津資料館リニューアル・ワークショップ(信濃川工事)  
・温故知新・新潟新まちづくりワークショップ(新潟国道工事)
・湯沢塩沢道路のPI方式による道路づくり(長岡国道工事)