建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2002年10月号〉

シリーズ
わが国の農業 ─北海道編─

担い手対策を中心としたインフラ整備を推進

「創造型事業」への転換を図る

北海道空知支庁農業振興部


 北海道空知支庁管内は広大な水田が広がる我が国の稲作をリードする中核地域である。
 空知管内の農作物の作付面積は11万4,600haで、その約5割に相当する6万500haが水稲である。これは全道の水稲作付面積の約45%を占めている。(平成12年度実績)
 ところが、近年は米の生産調整に伴う転作が強化され、平成13年度における当管内の転作率は約4割に達しており水稲生産農家は減少傾向にある。管内の農業生産額は平成6年度の1,675億円をピークに、平成12年度には1,212億円と大きく減少した。
 そこで、空知支庁農業振興部は農業の担い手対策を中心にしたインフラ整備を行っている。
主な取り組みとしては、
 (1)米に安全性、品質、食味に関する独自の規定を設け、商品の差別化を図る。
 (2)麦、豆、飼料作物、メロン、そばに続く新しいブランド作物の創出を模索する。
 (3)農家民宿やファームレストラン、観光農園など新しい農業の裾野を広げる。
 (4)水田の大区画整備による低コスト化や農村公園の生活環境整備を進める。
 (5)生産条件等が不利な中山間地域の整備を進める。
などを行っていく。
 予算のシェアについては、水田の生産基盤のウェイトが高く、平成14年度予算は、土地総の担い手育成型が45地区、約57億円。ほ場整備の担い手育成型が23地区約25億円。中山間整備が10地区約28億円となっており、この3つの事業で6割を占めている。
 今年度は、生産基盤の整備を環境との調和への配慮を目標に「自然と共生する環境創造型事業」への転換を図り、また予算の早期完了による効果の発現に向けて、予算執行を効率化する「時間管理原則」を導入した。
◆農業粗生産額の推移

「生産農業所得統計」(H12年)