下水道促進デーへ

〈建設グラフ2000年9月号〉

特集 9月10日「全国下水道促進デー」


豊富町の下水道整備

豊富町水道課長  大島 憲昭

大島憲昭 おおしま・のりあき
昭和22年10月30日生まれ 豊富町出身
北海道土地改良事業団体連合会
農業土木技術員養成講習所卒
昭和 42年  豊富町役場採用
平成 元年  建設課土木係長
5年  建設課長補佐
6年  水道課長補佐
9年  水道課長

 豊富町は、稚内市から40q南下した、日本海に面する人口五千三百人の酪農と観光の町ですが、牛の数が2万頭と、人口の4倍、まさに牛乳の町でもあります。また利尻礼文サロベツ国立公園を有し自然豊かな町です。
 この大切な自然環境を守るべく平成九年に、下水道事業に着手、平成十四年供用開始に向けて現在工事の真っ最中であります。
 処理区面積百七十ヘクタール、計画処理人口三千七百人、オキシデーションデッチ法、総事業費五十三億円になります。
 計画時の町民アンケートで「下水道を整備してほしい」の声が七十三%と非常に高く、それに勇気付けられ船出したのですが、いろいろ難問もありました。特に終末処理場の建設位置については、町議会との摩擦がありいろいろな議論の末で理解を得る形となりました。
 汚いものは町の遠く隔離したところへ建設すべきと言うもので、下水道に対するイメージは今でも変わっていないことを痛感しました。多額な資金を投じて建設する下水道ではありますが、目に見えるものは終末処理場とマンホールの蓋だけ、大半は、地下に建設するものでありますが、処理場は下水道のシンボルであり、そのシンボルを遠く離れた見えないところに建設するか、浄化の拠点を町民の見えるところに建設し、生活環境に対する認識を高めてもらい下水道の意義を理解してもらいたいと思っております。もちろん建設費、管理費を考慮しなければなりません。いろいろな問題を乗り越えながらも工事は順調に進み管渠工事は七十%の出来高に至っています。 
 近年不況の中下水道は「自然環境の保全と生活の利便性向上」の基本的な目的の他にも公共事業の受け皿として本町の景気対策の絶好の機会でもあることと思います。
 今後も運営管理等の問題が山積みしていますが、意義ある事業と誇りを持って事業に邁進していきたいと思っています。


豊富町豊富浄化センター
【全体建設計画の概要】
所在地:豊富町字上ホロベツ2009-4
処理方式:オキシディションデッチ法
排除方式:分流式
供用開始:平成13年度予定
計画処理人口(全体計画):3,700人
計画処理面積(全体計画):148ha
計画下水量(日最大汚水量):全体計画1,690立方メートル/日
                  既存能力 建設中