下水道促進デーへ

〈建設グラフ2000年9月号〉

特集 9月10日「全国下水道促進デー」


利尻町の下水道整備

利尻町建設課長 澤 谷  勉


 北海道の西北端稚内市から海上52km を隔て、利尻・礼文・サロベツ国立公園内に位置し、「夢の浮島」として全国的に有名な利尻島の西南部に位置する我が利尻町は、広ぼう東西21,5km、南北11,8km、面積76,49km2、入口約3,700人の漁業と観光の町です。
 さて、利尻町の下水道整備は、平成9年9月に知事の事業認可を得て、特定環境保全公共下水道として平成10年管渠敷設工事に着手し、平成14年3月の一部供用開始を目標に現在「沓形処理区」の整備を進めております。
 終末処理場の建設と幹線の管渠工事は北海道が代行し、枝線の管渠工事を町が施工しておりますが、「沓形処理区」は、第四紀の火山活動により噴出した溶岩流の上に形成されており、岩盤の上に街があると言っても過言ではなく、道路工事等においても岩盤の硬さにたびたび苦慮している状況です。
 このような現状を踏まえ、全体計画策定時より岩磐掘削専用機の必要性を訴え、関係各所にお願いしていた所、岩盤にも対応できる外国製の高性能溝掘機(国内に数台のみ、別名ロックトレンチャー)の存在を知ることができました。
 現在、管渠敷設工事の岩磐堀削で大いに活曜している口ックトレンチャーではありますが、この機械に出会わなければ、ここまで管渠工事が進捗しなかったと思います。口ックトレンチャー(購入価格2億1千万円)を輸入した業者の方、はるばる北海道の離島まで持ち込んでくれた業者の方々に心から感謝申し上げる次第です。話しが少々横道にそれてしまいましたが、利尻町の下水道整備はまだまだ始まったばかりで今後、終末処理場が完成し一部供用開始を迎えることとなります。施設の整備が完了すれば下水道の目的が達成するものではなく、日々の管理と適切な更新、一定レベルのサービスを提供し続けていくことでその目的を果たさなければなりません。
 ロックトレンチャーのように感謝される施設づくりに、これからも精一杯頑張ります。