下水道促進デーへ

〈建設グラフ2000年9月号〉

特集 9月10日「全国下水道促進デー」


21世紀へ弾みを

日本下水道事業団 北海道総合事務所長  今井 武彦

今井武彦 いまい・たけひこ
昭和20年8月28日生まれ
札幌市出身、室蘭工業大学卒
昭和44年 札幌市役所採用
下水道局施設部手稲処理場操作係長
同管理係長
同業務部係長職(日本下水道事業団派遣)
同工事部計画課計画二係長
同施設部東部下水管理事務所長
同工事部調整主幹
同施設部施設管理課長
同建設部西部工事課長
同施設建設課長
平成11年6月現職

 今年も7月25日から28日にかけて大阪市で下水道展が開催され、また9月10日は40回目の下水道促進デーと下水道のPRのための行事が全国的に展開されております。
 言うまでも無く今日、環境問題は地球レベルでの最大の課題であり、この中で水環境の保全上、下水道が不可欠であることとについて広く認識されるようになったのも、これらの啓蒙活動が長年にわたり不断に行われてきた成果として評価されます。
 しかし、我国の下水道普及率はまだ58%(平成10年度末)とやっと中間点を越えた状況であり、特に中小の自治体の整備促進が急がれる状況であります。
 丁度、今年は20世紀最後となる節目の年に当たり、来る21世紀に向けて下水道の普及促進の弾みとなる年になるよう念願をしています。
 さて、北海道の下水道普及率は79.3%(平成10年度末)と都道府県の中で3番目に高く、212の市町村のうち未着手は僅か10数カ所しか残っていない状況にあります。このことは、国、道庁等関係機関のフォローと共に何よりも各市町村の下水道への理解の深さと努力の結集により築かれたものであります。
 広大で恵まれた自然環境を有する北海道にとって、生活環境の保全のみならず特に農水林の一次産業と観光産業においても、下水道の高普及はこれらを支える基盤として位置付けられるものであります。
 そういう意味で、今後もさらなる普及向上と共に施設のより適正な維持管理も大切な仕事であると考えております。
 私共、日本下水道事業団は全国各地で各自治体からの要請を受けて下水道の処理場、ポンプ場、幹線管渠の根幹施設の計画・設計・施工監理等の受託業務をを実施しておりますが、この中で北海道総合事務所は昭和49年(当時は工事事務所)より長きにわたり、道内各所で施設の建設に携わってきました。現在、その数は丁度100箇所を超えたところであり、奥尻、利尻、礼文の各離島においても受託業務を行っているところであります。
 このように、北海道総合事務所は既に北海道の下水道に根を下ろすことができたものと考えますが、当然その責務も重いものでありますので今後も北海道の下水道の1サポーターとして頑張っていきたいと考えています。
 文末になりますが、去る3月31日の有珠山の噴火は特に虻田町の下水道施設にも大きな被害をもたらしました。そしてその根幹を占める施設は同町より受託して私共北海道総合事務所が手掛けたものでした。現在、同町始め国、道庁、道内各市、民間企業、そして私共、日本下水道事集団も含めて懸命なる災害復旧に努めているところです。
 一日も早く噴火が終息して、あの美しい洞爺湖を有する国内有数の観光地「洞爺湖温泉」と町民の皆様の生活が完全復活するよう心より願っております。