下水道促進デーへ

〈建設グラフ2000年9月号〉

特集 9月10日「全国下水道促進デー」


別海町の下水道整備

〜汚水処理施設共同整備事業(MICS事業)着手2年次目

別海町下水道課長  若月 静朝


 当町は、総面積1,320,17km2、町としては日本第2位の広大な面積の中、11カ所の市街地が点在する地域構成に人口17,262人。基幹産業は酪農・水産そして野付風連道立自然公園を中心とした優れた自然景観を有するなど発展の可能性を秘めた町であります。
 はじめに現在の下水道普及率は、酪農の町と言うこともあって54.8%にとどまっていますが、水洗化率は下水道整備事業完了により93.2%と、かなり高い数値を示しています。
 さて、下水道基本施設整備は、昭和51年度別海処理区を皮切りに着工、平成11年度尾岱沼処理区を以て8処理区全ての基本施設整備(特定環境保全公共下水道事業3処理区・農業集落徘水事業3処理区・漁業集落排水事業2処理区)を終了致しました。
 しかし、その後本町のように複数の事業を実施する自治体にとっては、濃縮汚泥処理に要する費用に非効率性が予測されるなど、当時の制度そのものに対する疑問、指摘等が浮上していましたが、国はかかる事態に理解を示され、平成7年、建設省部長通達で(汚水処理施設共同整備事業)いわゆるMICS事業を速やかに創設されました。
 これにより、平成11年度種々の制約をクリアし、特環事業で設置した別海終末処理施設に当該MICS事業を組み込む事となりました。
 特殊な事業内容と併せて技術等専門性が求められるなど、当町での対応が困難を極めたため、事業推進に当たっては、日本下水道事業団と建設工事にかかる委託協定を結び、MICS事業3年計画の現在2年次目に入っております。
 当該事業の完成は、平成13年秋頃を予定し、全事業費は、土木・建築・機械・電気、合わせて8億4千4百万円(若干下回る予定)。事業効果は、既設の二系列脱水汚泥処理施設に一系列増の三系列とし、汚泥量の増加に対応できることは勿論、更には、ランニングコストの軽減が期待出来るものと確信しています。


別海町別海下水終末処理場(増設)
所在地:別海町別海143の13
処理方法:オキシディションデッチ法
排除方式:合流式
供用開始:昭和61年11月1日
計画処理人口(全体計画):5000人
計画処理面積(全体計画):408ha
計画下水量(日最大汚水量):全体計画2,605立方メートル/日
                  既存能力2,420立方メートル/日