〈建設グラフ1997年9月号〉

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浦舟病院再整備事業で、新病院棟建設工事が進行中

平成11年度中開院予定で、救急医療や疾患別センターを拡充、震災対策も万全

●横浜市 市立大学医学部附属浦舟病院

横浜市は、市内で最も古い総合病院のひとつである、市立大学医学部附属浦舟病院の新病院棟建設工事を進めている。
この病院は、市民医療に徹した地域医療の基幹病院として、救急医療、高度・専門医療に対応出来るよう機能の充実を目指しており、新病院棟は、救命救急センターのある4号館の南側に隣接して建設される。
施設は、高層階に一般病棟、中層階に「心臓血管(心臓救急)センター」「母子医療(母子救急)センター」などの疾患別センター病棟、低層階に中央部門・外来等を配し、患者さんに便利で分かりやすい部門配置にしている。しかも、4床室を中心に個室を増やし、十分なベッド間隔を確保。各室にはトイレと洗面所も備えるなど、療養環境の充実を図る。

また、震災対策としては、屋上に緊急用へリポートを設置。さらに、1週間程度の水、自家発電の必要燃料を確保するなど、防災にも万全を期している。
施設周辺には、出来るだけオープンスペースを確保して、豊かな植栽を行うなど周辺環境にも配慮がされている。
新病院棟の概要は、地下部分が鉄骨鉄筋コンクリート造、地上部分が鉄骨造、地下2階、地上15階建。規模が約57,500u、敷地面積が18,843u。再整備後は、720床の病院となる。さらに全体の再整備事業の一環として、収容台数約400台の機械式駐車場も併設する。
平成8年3月に着工した工事は11年7月に竣工し、同年度中に開院予定。これからの高齢化の進行や、疾病構造の変化に伴う市民の様々な医療需要に応えていく病院として完成が待たれている。

■診療体制

○疾患別センター
救命救急センター、熱傷(やけど救急)センター、母子医療(母子救急)センター、心臓血管(心臓救急)センター、精神疾患(精神科救急)センター、難病センター、感染症センター
○専門診療科
総合内科、呼吸器内科、血液内科、腎臓内科、消化器科(ユニット)、内分泌・糖尿病内科、神経内科、総合外科、脳神経外科、整形外科、皮膚科、小児科、婦人科、眼科、麻酔科、歯科、口腔外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、放射線科、形成外科、リハビリテーション科、神経科、小児精神神経科、臓器移植科

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