〈建設グラフ1997年9月号〉

注目の現場 −construction site−

橋脚の基礎に国内最大級の「鋼管矢板基礎施工」を採用

大きな支持力と河川内での長期作業が可能

●札幌開発建設部 一般国道337号 美原大橋

北海道開発局札幌開発建設部・札幌新道建設事務所が整備を進めている「道央圏連絡道路・一般国道337号」で、石狩川に架かる「美原大橋」の下部工事に『鋼管矢板基礎施工』が採用されている。
「美原大橋」は、全長972mの3径間連続斜張橋(1面吊り)で、主橋梁部の支間割は154m+340m+150m、主塔の高さは80mの規模を誇る。1面吊りの鋼斜張橋としては全国3位、世界でも8位の規模だ。ちなみに、世界で最大のものとしては、神奈川県横浜市の「鶴見つばさ橋」(510m)がある。
現在、工事が最盛期を迎えている下部工事のうち、主塔を支える2基の橋脚には、大きな支持力と河川内における長期作業が求められたため、仮締め切り兼用の「鋼管矢板基礎」を採用している。
この基礎形式は、直径1.2m、厚さ19mmの鋼管杭を継手金具によってかみ合わせて、大きな水平抵抗や鉛直支持力を得るとともに、外周杭列を仮締め切り材に兼用して、洪水時の安全性を確保するという構造性に優れた工法だ。この基礎の断面の長径は61m、短径は35mとなっており、過去の施工例の中では国内最大級。

■step1

  • 鋼管矢板打設(外周及び隔壁抗)
  • 継手部注入工

■step2

  • 内部土砂水中掘削
  • 敷砂、底盤コンクリート打設
  • 仮締切内排水、山留材逐次設置

■step3

  • 側面コネクター工
  • 管内コンクリート打設
  • 頂版コンクリート打設

■step4

  • 躯体コンクリート打設
  • 埋戻し、山留材逐次撤去
  • 仮締切部鋼管矢板切断、引抜き

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