カメラルポ
![]() ▲支持機のワイヤロープで断崖掘削機を吊り下げて作業を行う |
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北砕工業梶i本社:札幌市)が発案し、特許を申請している断崖掘削機「クリフスパイダー」が、一般国道229号の現場で活躍している。 現場は、北海道開発局小樽開発建設部が「安全な道路」を目指して実施している「一般国道229号神恵内村キナウシ災害防除工事」(施工:吉本・廣野・ササキjv、弊誌64ページ参照)。平成9年度に北海道奥尻町で実施された「奥尻島線災害防除工事(ホヤ石)」に次いで、2度目の採用となる。 作業箇所は、地上約180mの断崖上で、作業員は、傾斜45度以上の急崖を仮設のモノレール(1機3人乗り)で片道約10分間で行き来する。 作業が行われている断崖上は、海からの風が強く吹き付けており、体感温度もさらに低くなる過酷な現場にもかかわらず、作業員は、一日も早い安全な道路を目指して今日も作業を続けている。 |
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断崖掘削機「クリフスパイダー」は、支持機と断崖掘削機で構成されており、支持機からのワイヤーロープで吊り下げて、発破後の処理を行う「ズリ作業」を行う。 急崖での作業における災害は、落下・崩落が99%を占めており、平成9年度には前年度比で約30%も増加している。 この危険な「ズリ作業」を従来は、人力で行っていたが、「クリフスパイダー」の採用により、「ズリ作業」を行うベンチ(段)が平坦にすることが可能となる。このため、落下・崩落などの災害を防止し、作業効率の向上と安全性が確保されるメリットがある。 また、人力作業では傾斜角度5分(57度)が限界だが、「クリフスパイダー」は、3分(73度)での作業が可能となる。 つまり、図のように傾斜を5分にするためには、かなりの量の断崖を崩さなければならず、時間と費用が莫大になってしまう。 急崖での作業は、これまで約40年間も変わらず、このような人力に頼ってきたが、北砕工業鰍フ発案により、機械化されることで、まさに“工法革命”がおきたといえる。 |