建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年2月号〉

特集

圏央道の一部として首都圏に大きな機能を発揮

神奈川県の中央部を南北に走る大動脈『さがみ縦貫道路』
―東京依存型の都市構造から脱却、神奈川新時代を創造

国土交通省 横浜国道事務所 さがみ縦貫道路

▲茅ヶ崎中央IC付近
神奈川県内の圏央道は、広域交通ネットワークとして、さがみ縦貫道路、横浜湘南道路、高速横浜環状南線の3路線が位置づけられている。これらは横浜、厚木などの業務核都市をはじめとする中核的都市を結び、神奈川の都市構造の再編や沿線におけるまちづくりを支援するとともに東京依存型の都市構造から脱却し、神奈川の新時代を創造する道路として期待されている。今回はこれら3路線のうち、さがみ縦貫道路に焦点をあて、特に我が国第二の県都・横浜市や県央部を所管する横浜国道事務所管内の整備状況を紹介する。
神奈川県内における計画
現在、神奈川県中央部では、南北を結ぶ主要幹線道路が不足しており、このために交通渋滞が各地で発生し、沿道の住民の日常生活にも大きな支障をきたしている。
このため、新湘南バイパスと連絡する茅ヶ崎市西久保を起点とし、津久井郡城山町川尻を終点とする延長約34.0kmのさがみ縦貫道路を計画。横浜国道事務所では、このうち西久保JCT〜相模原ICまでの21.6kmを担当している。広域ネットワークの一部として、また神奈川県の新たな骨格としてその早期完成が望まれており、神奈川県における大動脈として、また都市構造の再編や沿線のまちづくりを支援する路線として期待されている。
さがみ縦貫道路の整備効果
さがみ縦貫道路の整備により、現在、事業中の高速横浜環状南線や横浜湘南道路や、すでに完成している新湘南バイパスと一体となって自動車専用道路のネットワークを形成し、広域的な交通の円滑化が図られることから、地域の交通がスムーズになり、国道16号、129号等の混雑を緩和する。
また、幹線道路周辺の住宅地などに進入していた通過車両が減少することで、交通安全が確保されるだけでなく、利用者の行動範囲を広げ、地域産業の発展に貢献する。
さらに、高速横浜環状南線や横浜湘南道路とともに、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の一部を担うことで、横浜、相模原、厚木や八王子、つくば、木更津などの業務核都市をはじめとする中核的な都市を連絡し、生活における行動範囲を拡大。周辺地域の産業などの発展にも貢献する。
加えて、災害時などにおいて消防・救急活動などの速やかな対応を図るための緊急輸送道路としての役割を果たす。
工事進捗状況
西久保JCT〜相模原IC間の用地は9月末時点で約85%を取得。現在は、用地取得が完了した箇所から順次建設工事に着手している。
工事は現在基礎工、下部工が中心で、下部工事が進んでいる西久保JCT付近では一部鋼製橋脚の設置が終わった区間もある。箇所毎では、中日本高速道路鰍ェ工事を行っている海老名北JCTの東名高速道路と交差する箇所で夜間全面交通規制を行い、上下本線橋やランプ橋を架設する工事が完了したところだ。
横浜国道事務所が工事を担当している区間では、西久保JCT〜寒川北IC間及び相模原IC付近の下部工事が最も進捗している。下部工では鋼製橋脚、コンクリート橋脚が建設されており、上部工では鋼箱桁及び鋼鈑桁などである。鋼鈑桁はコスト縮減を目指した少主桁構造であり、合成床版を使用することで主桁本数を少なくしている。現在は桁が製作されたところから、桁架設を行っているところだ。圏央道では目標宣言プロジェクトに取り組んでおり、さがみ縦貫道路(西久保JCT〜相模原IC)の開通は平成22年度を目標としている。工事が進んでいる海老名北JCT〜海老名北IC間については平成21年度に開通する予定だ。
 経 緯
昭和 63年度 :茅ヶ崎市西久保〜東名高速道路(9.4km)が事業化。
平成 03年度 :東名高速道路〜厚木市上依知(12.2km)が事業化。
平成 6年 6月 :茅ヶ崎市西久保〜厚木市上依知(21.6km)が都市計画決定。
平成 9年 5月 :起工式
平成 10年 4月 :第二東海自動車道(海老名南JCT)旧日本道路公団へ施行命令。
平成 10年 12月 :海老名南JCT〜海老名北IC間、旧日本道路公団へ施行命令。
平成 14年 3月 :海老名北IC〜久喜白岡JCT(東北自動車道)旧日本道路公団へ有料道路事業許可。

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