建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2004年12月号〉

特集・未来を拓く わが国の新幹線整備

北信越の未来を拓く北陸新幹線−長野・能生間の建設が本格化

鉄道建設・運輸施設整備支援機構 北陸新幹線建設局

▲上新バイパスbv工区 ▲高田トンネル工区
▲高峰トンネル(東)工区 ▲飯山トンネル(東菅沼)工区
▲第5千曲川橋りょう 中野市壁田地区高架橋工事
▲高社山トンネル(南)工区 ▲岩井東高架橋工区
北陸新幹線整備事業の趣旨
北陸新幹線は、国民経済の発展及び国民生活領域の拡大並びに地域の振興を図るため、「全国新幹線鉄道整備法」に基づき建設される鉄道で、長野市付近、富山市付近、小浜市付近を経由して東京都と大阪市を結ぶ工事延長600kmの路線である。
このうち、平成9年10月には高崎〜長野間が開業し、翌10年3月には長野〜上越間、13年5月には上越〜富山間が着工している。
新幹線の効果
北陸新幹線が整備されると、東京〜富山間が約2時間10分、東京〜金沢間が約2時間30分、東京〜福井間が約2時間50分と、現在の所要時間に比べ、大幅な短縮が可能となる。これにより地域間交流、首都圏との交流が促進し、新たな出会いやビジネスチャンスの可能性が広がる。加えて豊富で多彩な北陸の観光資源の魅力を、一層高める効果が期待されている。
また、新幹線は単位輸送当りのエネルギー消費量が、自家用乗用車の5分の1、航空機の3分の1、単位輸送当り二酸化炭素の排出量も自家用乗用車の8分の1、航空機の5分の1と低く、単に速く、大量、安全に人を運ぶだけではなく、環境にも優しい交通機関である。
北陸新幹線の概要
北陸新幹線は東京駅を起点とし、高崎において上越新幹線から分岐して長野市、上越市、富山市、金沢市を経由して大阪に至る、日本海廻りで結ぶ路線である。
このうち北陸新幹線建設局は、工事実施計画認可区間である高崎・富山間のうち、高崎・新潟県能生町までの約205km間の工事を実施しているが、そのうちの高崎・長野間(延長117km)は、平成9年10月に開業し、引き続き施設の保有主体として維持管理業務を行なっている。
長野・能生間の建設概要
同建設局では、長野・能生間の建設が本格的に進められている。そのうち、長野・上越間は、平成10年3月に工事実施計画の認可を得た区間で、長野市を起点とし、飯山市を経て上越市に至る延長約60km(工事延長約52km)の区間である。
一方、上越以西については、平成13年4月25日に上越・富山間(延長約110km)の工事実施計画認可となり、この区間のうち、上越から新潟県能生町までの区間(延長約28km)で工事を実施している。駅は、長野駅(既設)、飯山駅、上越(仮称)駅の3駅が設置される予定だ。工期は平成13年4月25日の認可の日より概ね12年強とされている。
当区間はトンネルが大半を占めているが、このうち代表的なトンネルとして長野・新潟県境の東頚城山地を貫く延長約22.2kmの飯山トンネルをはじめ、中野市の立ヶ花地区と長丘地区の丘陵地帯を貫く延長約6.9kmの高丘トンネル、同市の高社山西側中腹を貫いて赤岩地区から岩井東地区に至る延長約4.2kmの高社山トンネル、名立町から能生町に至る延長約7.1kmの峰山トンネルなどがある。また、明かり区間には第4千曲川橋りょう、第5千曲川橋りょうなどがある。
全体の完成は平成25年頃を目指している。
▲第4千曲川橋りょう完成想定図
▲第5千曲川橋りょう完成想定図
長野・上越間の工事概要
同区間では平成10年3月の工事実施計画の認可後、直ちに地元説明、測量、諸調査、設計協議に入り、工期の要する長大トンネルである飯山トンネルに着手した。この飯山トンネルは、平成10年8月に最初の工事として「富倉工区」に着手して以来、平成12年3月までに残り5工区全てを発注し、鋭意工事を進めている。来年度には6工区が全て貫通し、長野県と新潟県が繋がることとなる。
また、高丘トンネル、高社山トンネルについては南北2工区に分割し、平成12年3月にそれぞれの北工区を、平成13年3月にそれぞれの南工区を発注して以来、順調に施工しており、高社山トンネルについてはこの7月に貫通した。
明かり工事については、平成13年3月に新潟県板倉町の高架橋を2工区発注し、昨年12月にしゅん功。平成14年3月に中野市内に3工区、板倉町、新井市にそれぞれ1工区の高架橋、上越市内の国道バイパスと交差する架道橋1工区を発注した。このうち中野市内の2工区は既に竣工。残るいずれの工区も順調に工事が進んでいる。昨年8月に発注した第4千曲川橋りょうについても工事が順調に進んでいる。
上越・能生間の工事概要
上越・能生間は平成13年4月の工事実施計画認可後、直ちに長野・上越間と同様に地元説明、測量、諸調査、設計協議に入った。工事についてはまず峰山トンネル東・西野2工区を同年10月に発注したのを皮切りに、平成14年3月までに松ノ木トンネル東・西2工区、高田トンネル、高峰トンネル東工区(同建設局管内終端工区)の4工区を発注し、平成15年3月に桑取トンネル、9月には新木浦トンネルを発注した。これにより、同建設局管内の全てのトンネルが着工したことになる。なお、いずれのトンネルも順調に工事が進んでいるところだ。

北陸新幹線 長野・能生間の整備に貢献する精鋭企業群

上越鉄道建設所工事事故防止連絡協議会
●飯山T(新井)他工区
 ハザマ・鴻池・加賀田・丸山特定建設工事共同企業体
●飯山T(東菅沼)他工区
 西松・東亜・植木・中元特定建設工事共同企業体
●飯山トンネル(木成)他工区
 大成・錢高・第一・松本土建特定建設工事共同企業体
●飯山トンネル(板倉)他工区
 大林・大豊・松村・田中特定建設工事共同企業体
●熊川新田BL他工区
 森本・加賀田・三牧特定建設工事共同企業体
●広島BL他工区
 アイサワ・井上・田中特定建設工事共同企業体
●上新バイパスBV他工区
 三井住友・第一・水倉特定建設工事共同企業体
●高田T他工区
 大林・三井住友・名工・高館特定建設工事共同企業体
●松ノ木T(東)他工区
 鉄建・東洋・みらい・岡田土建特定建設工事共同企業体

能生鉄道建設所工事事故防止連絡協議会
●松ノ木トンネル(西)
 西松・五洋・本間・相村特定建設工事共同企業体
●桑取トンネル
鴻池・不動・地崎・櫛谷特定建設工事共同企業体
●峰山トンネル(東)
奥村・青木あすなろ・真柄・牛木特定建設工事共同企業体
●峰山トンネル(西)
清水・竹中土木・三菱・笠原特定建設工事共同企業体
●新木浦トンネル
前田・佐伯・小田急・丸運特定建設工事共同企業体
●高峰トンネル(東)
飛島・福田・坂田・谷村特定建設工事共同企業体
飯山鉄道建設所工事事故防止連絡協議会
●第4千曲川B下部工
清水・オリエンタル・岡谷特定建設工事共同企業体
●高丘T(南)工区
戸田・フジタ・アイサワ・藤森特定建設工事共同企業体
●高T(北)工区
前田・五洋・北野・中野特定建設工事共同企業体
●壁田BL
淺沼・青木あすなろ・北條特定建設工事共同企業体
●西笠原BL
松村・伊藤・北信特定建設工事共同企業体
●高社山T(南)工区
佐藤・大日本・吉川・鹿熊特定建設工事共同企業体
●高社山T(北)工区
鹿島・若築・井上・瑞穂特定建設工事共同企業体
●岩井東BL
鹿島・北野・奈良特定建設工事共同企業体
●第5千曲川B下部工
白石・安藤・滝澤特定建設工事共同企業体
●飯山T(上倉)工区
鉄建・りんかい日産・守谷・長野特定建設工事共同企業体
●飯山T(富倉)工区
熊谷・日本国土・大本特定建設工事共同企業体

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