建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2004年11月号〉

特集・名古屋港

国際競争に打ち勝つスーパー中枢港湾

ハード・ソフトが一体となった整備を推進し、中部地域の国際競争力を強化

国土交通省 名古屋港湾・空港整備事務所

名古屋港は日本の中心に位置し、中部地域と世界各国を結ぶゲートウェイで貿易額、取扱量ともにトップを誇る日本を代表する中枢港湾だ。この7月に同港は四日市港とともに伊勢湾スーパー中枢港湾として指定を受けた。今後アジア諸港との国際競争に打ち勝つため、どのような戦略に基づき、どのような機能を持ち、どのような姿へと変貌していくのか、現在行われている事業を中心に名古屋港について特集する。


日本経済の核「ものづくりの中部」を支える名古屋港
名古屋港の港湾区域は、83km2、臨海地区は41km2、合計約120km2の広大な面積であり、特に臨港地区は日本最大の広さを持っている。
平成15年の名古屋港の外航内航入港船舶総数は4万3,186隻(前年比4.0%増)で、5大港の中では第2位となっている。総取扱貨物量は、1億7,200万t(前年比6.5%増)に及び、全国第一位。貿易額も10兆2,500億円(前年比6.4%増)と、全国第一位を誇る。これらは全て過去最高を記録するもので、中部圏域のさらなる発展を目指す重要な経済基盤として、大きな役割を担っている。
スーパー中枢港湾の指定
アジア域内での港湾間競争が激しさを増す中、我が国港湾の国際競争力の向上を図ることを目的に平成14年に、国のスーパー中枢港湾構想が提案された。
名古屋港は四日市港と共同し、平成16年3月に「伊勢湾スーパー中枢港湾」として、育成プログラムを提出。同年5月6日には「スーパー中枢港湾選定委員会」が開催され、伊勢湾においては「飛島ふ頭南側地区コンテナターミナルの岸壁延長拡大に係る港湾計画変更に向けた手続きの完了を待って指定を行うべき」との評価結果となり、港湾計画の変更手続きの完了を踏まえて、平成16年7月23日にいよいよスーパー中枢港湾の指定の交付を受けた。
伊勢湾スーパー中枢港湾
名古屋港は、貿易額、取扱貨物量ともに日本一を誇る中枢港湾だが、コンテナ施設は必ずしも国際競争に対応できる整備水準には至っていないのが現状だ。
名古屋港では、スーパー中枢港湾育成プログラムにて、コンテナ取扱目標を250万teu(四日市港を含め300万teu)に設定。コンテナ機能の中心となる飛島ふ頭において、ロジスティクスハブの形成、ct群の構造改革、自働化荷役システムの導入による次世代高規格ct形成などを展開し、港湾コストの3割減、リードタイム1日を目指す。
▲コンテナ物流拠点の飛島ふ頭(撮影h16.6.14)
次世代高規格コンテナターミナルの整備
次世代高規格CTとなる飛島ふ頭南ctは、最大水深16m、岸壁延長1,050mを計画。スーパー中枢港湾の核となる-16m岸壁第1バースの整備は、平成14年度から進められており、奥行き500m、面積17.5haという巨大なバックヤードを有することになる。
岸壁はジャケット工法を採用し、ジャケット部(長さ50m×幅40m 705t/基)を工場において製作することで現場での工期短縮を図っている。
平成16年9月時点では、ジャケットが5基据え付けられた状態で、残りの3基についても17年2月に据付を行う予定だ。
今後は、土留め背後の裏埋を進めるとともに、桟橋上部工及び舗装工を実施し、17年12月の供用開始を目指す。
第2バースについても、引き続き整備を行う予定であり、平成17年度からの実施に向けて新規要求を行っている。
この他にも、すでに水深15m級の公共コンテナ岸壁2バースの他、水深10〜12m級のコンテナ岸壁が、公共3バース、埠頭公社3バースの6バースが稼働している。
これら計8バースが連続して2.2qの直線バースとして供用されているため、世界でも最大級のコンテナ船が寄港している。
▲飛島ふ頭南コンテナターミナル全景
鍋田埠頭
同港のもう一つのコンテナ物流拠点である鍋田埠頭は、奥行500mのバックヤードを持つ水深14mの高規格コンテナターミナルとして、平成9年に1バースを供用した。
さらに、阪神・淡路大震災の教訓から、耐震強化岸壁として、第2バースが13年に完成、供用している。
▲飛島ふ頭の2,200m連続8バースコンテナターミナル
中部地域の産業と今後の名古屋港
中部地域は、自動車産業をはじめ「ものづくり産業」の集積地である。愛知県の工業製造品出荷額は、27年連続日本一であり、中部地域全体でも、人口一人あたりの製品出荷額は420万円/人と、関東・近畿地方の2倍にも及ぶ。「元気な中部」といわれる由縁だ。
名古屋港は、この中部地域の産業の表玄関である。海外へ向けた経営戦略の中で、海上物流−特にコンテナ物流は、まさに生命線といえる。企業が名古屋港に求めているのは、港湾コストの削減はもとより、海外工場とのジャスインタイム方式に対応した定時性、定期性の確保や、荷物の破損の少ない大型コンテナ船が寄港できる港湾整備などである。
名古屋港の戦略としては、スーパー中枢港湾として港湾コストを釜山港、高雄港並みに近づけ、従来の3割を低減させる方針である。
また、IT化の徹底などで、情報の一元化を実現し、24時間フルゲートオープン化と、リードタイムを現状の3日〜4日から、シンガポール港並みに1日へ短縮させることをめざす。
次世代高規格ターミナルの形成・育成については、すでに記した通りだが、さらにその一体的運営は、海運3社、港運6社、大手自動車メーカー物流子会社の全10社の出資会社 「飛島コンテナ埠頭株式会社(TCB)」に決定しており、自働化荷役システムの導入も図られる予定だ。
このほか、名古屋港の統一的管理・運営コンピューターシステム(NUTS)を活用したIT化の推進、四日市港や中部国際空港との連携によるsea&airといった輸送体系の確立など、様々な可能性にチャレンジしていく方針だ。
このように、コンテナターミナルの整備と同時に、広域連携の強化、ロジスティクスハブの形成、it基盤の形成など、ハード・ソフト一体となった整備を官民一体となって取り組むことで、物流の高度化・効率化を図り、名古屋港を核とする伊勢湾の国際競争力の強化に貢献。中部地域をはじめとする我が国経済をリードするものづくり産業を支援する役割を担うことになる。
▲ジャケット式桟橋による大水深16m岸壁イメージ ▲飛島ふ頭南コンテナターミナルイメージパース

「ものづくり中部」を支える港湾整備を推進

名古屋港第三ポートアイランド等建設工事安全連絡協議会

株式会社大林組
名古屋支店/名古屋市東区東桜1-10-19
名古屋大林ビル
TEL. 052-961-5114

大豊建設株式会社
名古屋支店/名古屋市中村区角割町5-7-2
TEL. 052-481-4169

株式会社吉田組
名古屋支店/名古屋市中区錦1-19-25
名古屋第一ビルアネックス8F
TEL. 052-219-6121

東亜建設工業株式会社
名古屋支店/名古屋市中村区名駅4丁目10-27
第二豊田ビル西館5F

TEL. 052-582-7163
国土総合建設株式会社
名古屋支店/名古屋市中区錦1-5-27
第41オーシャンビル8F
TEL. 052-212-3938

五洋建設株式会社
名古屋支店/名古屋市中区錦3丁目2-1
信愛ビル5F
TEL. 052-961-8889

佐伯建設工業株式会社
名古屋支店/名古屋市中区丸の内
1-17-19 名古屋長和ビル2F
TEL. 052-229-8261

株式会社おかむら
本社/名古屋市中川区打中1-176
浅井ビル1F
TEL. 052-351-4500
大旺建設株式会社
名古屋支店/名古屋市中区大須4-16-16
名探記念橋第2ビル
TEL. 052-264-1468
りんかい日産建設株式会社
名古屋支店/名古屋市中村区名駅4丁目26-25
名古屋大商ビル7F
TEL. 052-561-5559

株木建設株式会社
名古屋支店/名古屋市中村区熊野町3-3
TEL. 052-471-4226
高砂建設株式会社
名古屋支店/名古屋市港区名四町32-1
TEL. 052-661-2232

深田サルベージ建設株式会社
名古屋支店/名古屋市港区中川本町6-1-53
TEL. 052-661-9416
大成建設株式会社
名古屋支店/名古屋市中村区名駅1-1-4
JRセントラルタワーズ
TEL. 052-562-7525

東洋建設株式会社
名古屋支店/名古屋市中区錦1-17-13
名興ビル7F
TEL. 052-221-7303

若築建設株式会社
名古屋支店/名古屋市中区錦1-11-20
大永ビル9F
TEL. 052-201-5322

株式会社本間組
名古屋支店/名古屋市中村区名駅5-3-8
名駅モリビル
TEL. 052-571-6617

不動建設株式会社
名古屋支店/名古屋市中区大須4丁目10-40
カジワラテックスビル9F
TEL. 052-261-5136

日起建設株式会社
本店/愛知県海部郡立田村大字山路宇野方
149-7
TEL. 0567-27-0213

株式会社テトラ
名古屋支店/名古屋市中村区名駅南1-18-15
ネオ笹島2F

TEL. 052-564-7291
みらい建設工業株式会社
中部支店/名古屋市中区錦1-13-26
三井生命名古屋伏見ビル5F
TEL. 052-205-5711



HOME