建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2003年9月号〉

特集・沖縄総合事務局の主な整備事業最前線

沖縄本島の中核的役割を担うネットワークを構築

南部国道事務所 主な整備事業

嘉手納町野国付近
(A:トックリヤシモドキ、B:ココヤシ)

南部国道事務所は沖縄本島中南部地域、県都那覇市をはじめとする、沖縄市、浦添市、宜野湾市、糸満市、豊見城市など県内人口の8割を有する区域を管轄している。このエリアで、一般国道58号、329号、330号、331号、332号の5路線の合計153.0kmと506号(那覇空港自動車道)の改築に当っている。また、高規格幹線道路(一般国道506号那覇空港自動車道)を始め、一般国道58号嘉手納バイパス、平成12年に事業完了している宜野湾バイパス、一般国道329号那覇東バイパスなどの整備を実施している。
とりわけ県土の動脈となる国道58号の那覇市内から北谷町までと、国道330号の那覇市内から浦添市までは1日の交通量が70,000台〜80,000台と多く、中南部地区へ集中しており、那覇市のある中南部圏から北部圏の名護市までには1時間以上の移動時間を要する。そのため、同事務所では平成5年に沖縄県広域道路整備基本計画を策定し、「ゆとり社会」への実現のため、1.地域集積圏(中南部、北部圏)内の各地から圏内中心都市(那覇市、名護市)まで30分圏の確立、2.那覇市〜名護市間の1時間以内の連絡、3.圏域内拠点間連絡の強化、4.那覇都市圏のネットワーク形成、5.離島・過疎地の地域活性を図る道路整備を基本方針とし、地域住民の生活の安定・向上と産業の振興を図るべく、鋭意事業を進めている。
さらに安全で快適な歩道空間の確保と、都市災害の防止、情報ネットワークの信頼性の向上、都市景観などの向上を目的とし、情報関連事業にも力を入れている。平成7年には「電線共同溝の整備に関する特別措置法」を制定。電線共同溝(c・c・box)は道路の地下空間を利用し、2つ以上の電線管理者の電線類(光ファイバー、電力、通信線など)を共同に収容する施設で、これを請けて平成12年から一般国道58号浦添地区、平成9年度から一般国道330号沖縄地区で電線共同溝事業に着手している。そのほか道路管理の高度化を図るため、情報ボックスの設置や管理通信設備の整備を進めている。これにより、台風・地震などの災害時の防災体制が強化されるほか、マルチメディアによって文字、音声、映像などの情報が迅速且つ大量に伝送されることで、地域住民の安全で文化的な暮らしが実現する。
また、観光客に沖縄らしさを演出すると同時に、地域住民の歩行環境や生活環境を向上させるため、道路沿いの植栽事業も進めている。

▲豊見城地先埋立事業

<沖縄の広域交通拠点を連絡する沖縄西海岸道路>

沖縄西海岸道路は読谷村から糸満市に至る延長約50kmの地域高規格道路であり、高規格幹線道路である那覇空港自動車道と、那覇空港、那覇港といった広域交通拠点と連絡し、地域を活性化に大きく貢献する広域幹線道路だ。
現在は読谷嘉手納地区・嘉手納バイパス(L=3.2km)、読谷道路(L=6.0km)、宜野湾地区・宜野湾バイパス(L=4.5km、h12供用)、那覇地区・那覇西道路(L=3.0km)、豊見城・糸満地区・糸満道路(L=3.4km)、豊見城道路(L=4.0km)が事業化されている。北谷地区と浦添地区、小禄地区では事業化に向け、調査を続けている。これらが完成すると、交通混雑は緩和され、安全でスムースな走行と広域交通機関へのアクセスが、早く、確実になる。また、物流の効率アップで産業の活性化が図られ、地域間の交流が活発になり、各地域が活性化することが期待されている。
●那覇西道路
このうち那覇地区の那覇西道路については、国道58号の交通混雑緩和、那覇空港とのアクセス向上、那覇港の機能向上などを目的に実施している。若狭地区においては地盤改良工事(H.15.6〜H.16.3)、三重城地区では地中連続壁工事が行われており、平成15年度は用地買収及び工事の促進を図る。
●豊見城道路
豊見城・糸満地区の豊見城道路は、沖縄本島島尻地区と那覇市を結ぶ一般国道331号の豊見城市、及び周辺部の交通混雑の緩和を目的とした豊見城市、瀬長から糸満市西崎に至る延長4.0kmの地域高規格道路であり、平成元年に事業化された。現在は与根地区で高架橋を整備中だ。この道路は、交通渋滞の緩和はもとより、沖縄県最大の広域交通拠点である那覇空港と連絡し、地域の産業、観光、地域振興プロジェクトを支援する道路としての役割を担う。

▲豊見城IC(暫定)

<沖縄県の高速性・定時性の確保に貢献する那覇空港自動車道>

高規格幹線道路である那覇空港自動車道は、沖縄県最大の広域交通拠点である那覇空港と沖縄自動車道を結ぶ一般国道の自動車専用道路として、昭和62年6月に指定された。沖縄県の経済活性化と観光の振興、高速性・定時性の確保に大きく寄与する道路である。
このうち、沖縄自動車道、国道329号、国道507号BPと連結する南風原道路(延長5.9km)は、平成12年6月に完成し供用開始している。一方、小禄道路(延長約8km)については調査中だ。
●豊見城東道路
国道507号BP、県道7号線、国道331号と連結する豊見城東道路は、豊見城市名嘉地を起点に、南風原町山川を終点とする、延長6.2kmの高規格幹線道路である。平成15年4月26日に南風原南IC〜豊見城IC間の部分暫定供用を行った。今年度は豊見城地区ではICをボックス化する事業を進め、那覇空港南IC(仮称)までの早期暫定供用を目指して鋭意事業を進めている。

▲豊見城東道路 ▲広域交通ネットワークの整備が進む
(330号 浦添市大平インター付近)

沖縄本島中南部の広域交通ネットワーク構築に貢献する企業
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