建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2020年3月号〉

【寄稿】

石垣港(新港地区)岸壁(-10m)築造外1件工事

丸尾建設株式会社
現場代理人 新里大二郎
丸尾建設株式会社
監理技術者 大底安則
丸尾建設株式会社
技術員 石垣永義

完成日「2020年3月30日」

1.工事概要

 本工事は、石垣港(新港地区)において、大型クルーズ船に対応する岸壁を整備する工事である。 岸壁整備工事の主な内容は以下のとおりです。
・岸壁(-10m):
1.構造物撤去工(消波ブロック撤去、石材撤去) 2.仮設工(鋼矢板及び鋼管矢板) 3.グラブ浚渫工 4.海上地盤改良工(床堀) 5.基礎工(捨石投入・均し) 6.本体工(ケーソン据付) 7.上部工(プレキャスト版据付、上部コンクリート打設) 8.付属工(係船曲柱設置、防舷材設置、車止め・縁金物設置)
・泊地(-10m):
1.浚渫工(グラブ浚渫) 既設の護岸前面に岸壁を築造するため土留めの鋼矢板・鋼管矢板の打設を行い、基礎捨石を施工しスリットケーソン(B10.3×H15.1×L16.0m)3函の据付けを行った。
 その後上部工を施工して延長48.15mの岸壁を築造した。また岸壁前面の泊地(-10m)の一部についても本工事で浚渫を行った。
 また隣接する岸壁(-10.0m)は供用中であることから、週2〜3回大型クルーズ船の入港に合わせ作業船の退避・待機を行った。

ケーソン据付状況

2.現場管理の工夫

 本工事において、本体工ケーソン据付作業時の安全対策として「ケーソン据付システム」を使用した。
 「ケーソン据付システム」を使用することで安全な位置でモニターを確認しながらケーソン据付時のウインチとポンプを遠隔操作することができ、通常のケーソン据付作業に比べ作業員の負担軽減を図ることが可能となり、災害発生のリスクを抑えることができ、安全に据付作業を完了することができました。
 また、ケーソン据付後の着底状況確認は、自社所有の水中ドローンを活用して行いました。通常は潜水士が水中カメラにて撮影した写真を確認するため潜水士の手配や撮影した写真を印刷して確認するなど時間がかかっていましたが、今回は、ケーソン据付完了後、職員が水中ドローンの操作を行うことで、速やかにモニターにて着底状況確認を行うことができました。
 上記の工夫を行うことで、作業時間の短縮と安全・確実な施工を行うことができました。

泊地航路浚渫状況

3.関係機関との連絡調整

 本工事は、大型クルーズ船が接岸する供用中の岸壁に隣接した施工箇所であることから、港湾管理者のホームページに記載されているクルーズ船の入出港予定表の確認及びクルーズ船代理店3社から情報の収集などを行い、施工中の作業船の退避及び再入域の時間の調整等を密に行い施工を行いました。

4.おわりに

 本工事は、全ての工程を無事故・無災害で無事に完了することができました。
 クルーズ船の増加とともに石垣島を訪れる観光客は年々増加しており、青い海など自然環境の豊かな石垣島が、観光で訪れた人々の良い思い出となるよう、海の玄関である石垣港が魅力ある港になるよう貢献していきたいと思います。


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