建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2020年3月号〉

【寄稿】

愛知県、岐阜県、三重県をつなぐ「MAGロード」の関広見IC〜山県IC間が3月に開通

―― 企業立地の促進、観光動員数の増加、救急患者搬送時間短縮などの顕著な効果

 国土交通省 中部地方整備局
 岐阜国道事務所 所長
粂野 真一郎

東海環状自動車道 ネットワーク図


 私たち岐阜国道事務所は、岐阜県西南部における国道、約238km(平成31年4月1日現在)の維持管理及び東海環状自動車道・一般改築事業、交通安全事業、電線共同溝事業を担当しています。
 現在は東海環状自動車道(関〜養老)の整備を重点的に進めています。国道475号東海環状自動車道は、名古屋市を中心に半径30〜40km圏に位置する道路で、愛知県、岐阜県、三重県の3県に跨る延長約153kmの高規格幹線道路です。愛称は「MAGロード」で、三重県の頭文字である「M」、同じく愛知県の「A」、岐阜県「G」を組み合わせて「MAGロード」と命名されました。マグネット(磁石)のように、それぞれの地域を引きつける道路という意味も込められています。
 東海環状自動車道は、新東名・新名神高速道路、伊勢湾岸自動車道、東名・名神高速道路や中央自動車道・東海北陸自動車道等の放射状道路を連結します。現在、着手している関〜養老間は、東海北陸自動車道と名神高速道路を連絡するとともに、岐阜県南部地域の連携強化と、地域開発の支援等を目的とした高規格幹線道路です。
 令和元年12月14日(土)には、東海環状自動車道大野神戸IC〜大垣西IC間の7.6kmが開通しました。当日は開通を祝した開通式典・セレモニーが行われ、約450人が参列しました。古田肇岐阜県知事の挨拶の後、小川敏大垣市長、谷村成基神戸町長、宇佐見晃三大野町長による万歳三唱や、テープカット、くす玉開披、開通パレード等が行われ、同日午後3時から一般車両の利用が始まりました。

大野神戸IC 開通式(2019年12月14日撮影)


 今回の開通により、大野神戸IC周辺では工業団地の整備が進むなど、沿線地域の観光活性化や、地域開発の促進等が期待されています。
 今年度はさらに、関広見IC〜山県IC間の9.0kmも令和2年3月20日に開通予定です。山県IC周辺では、開通により企業立地の推進、大河ドラマの放映に合わせた観光活性化等が期待されています。
 現在は、山県IC〜大野神戸IC間を中心に工事を推進しており、山県IC〜大野神戸IC、(仮称)北勢IC〜大安IC間については令和6年度の開通見通しを立てています。山県IC〜(仮称)岐阜IC間の6.1kmは、橋梁下部工事、改良工事及び、岐阜山県第一TN工事を推進中です。(仮称)岐阜IC〜(仮称)糸貫IC間の5.6kmは橋梁下部工事と改良工事を推進中です。(仮称)糸貫IC〜大野神戸IC間の6.8kmは、橋梁下部工事と改良工事を推進中です。


 また、養老IC〜(仮称)北勢IC間の18.0kmは、橋梁下部工事と改良工事を推進中です。
 東海環状自動車道が整備されることにより、郊外から都心部への交通を分散して導入する複数のルートを確保され、通過交通の都心部への流入を抑制することで、都心部の交通集中が緩和されます。さらに災害や事故、大規模な工事による交通規制、あるいは交通混雑があった場合などの迂回誘導も可能となります。
 それだけでは無く、東海環状自動車道が整備されることで、地域経済の活性化、災害に強い道路機能の確保等、様々なストック効果が発揮されます。令和6年度開通見通しの(仮称)岐阜IC直近の岐阜大学病院は、岐阜県内で唯一のドクターヘリを保有する高度救命救急センターであり、東海環状自動車道が整備されることで、時間圏域が拡大し、搬送時間が短縮されます。このようなストック効果は、中京圏の放射状道路ネットワークが環状道路で結ばれることにより発現する効果です。このようなストック効果を最大限に発現させることも重要です。
 今後も地域の期待に応えられるよう、引き続き関係自治体と緊密に連携をとり、1日も早い開通を目指し全力で事業を推進して参ります。引き続き事業へのご協力をよろしくお願い致します。

(仮称)岐阜IC(2020 年1 月撮影)
(仮称)糸貫IC(2020 年1 月撮影)


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