建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2020年2月号〉

【年頭所感】

主力産業の水産・酪農・離島観光振興業に資する整備事業や防災・防雪対策の事業強化を推進

 国土交通省 北海道開発局
 稚内開発建設部 部長
舘石 和秋

 新年明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げますとともに、日頃から当部が実施する事業の推進に特段のご支援とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
 昨年を振り返りますと、令和という新しい時代を迎えた一方で、台風19号などによる自然災害が全国各地に大きな爪痕を残し、国民の生活や産業に大きな影響を及ぼした一年でした。私たちが住む日本列島では自然災害のリスクは避けられません。こうした災害リスクを想定外とせず、最悪の事態を回避するための防災・減災体制の強化の重要性を改めて認識したところです。
 さて、当部が管轄する宗谷地域は、漁業と酪農を主力に、利尻・礼文の有人国境離島をはじめ、サロベツ、北オホーツクなどの豊かな自然による観光資源、風力を活かした自然エネルギーなど、独自の「強み」や「個性」を有しており、「食」と「観光」を戦略的産業として「『世界の北海道』を目指す」とする第8期北海道総合開発計画における「生産空間」及び「国境周辺地域」として、重要な地域に位置づけられています。
 当部といたしましては、こうした宗谷地域の資源や特性と北海道総合開発計画の趣旨を踏まえ、産業やくらしを支える社会資本整備と新たな価値を創造し地域の活力を高める取組を実施してまいります。  併せて、災害発生時における地域支援として、リエゾンやTEC−FORCEの派遣、災害対策用機械の貸し出し、大規模土砂災害の緊急調査等、防災体制面でも地域を支えてまいります。
 改めまして当部の主な事業をご紹介いたしますと、水産基盤整備事業では、東浦漁港で漁船の安全な操船・係留を確保するための泊地の整備、抜海漁港で漂砂及び飛砂による港内埋没の防止のための防波堤及び航路の整備、礼文西漁港で越波防止や港内静穏度向上を図る防波堤及び利用者の就労環境改善を図る岸壁の整備に取り組みます。
 農業農村整備事業では、農地の改良を通じて酪農経営の安定と地域の収益力の向上を目指した取り組みを進めます。具体的には、生産基盤の整備と土地利用の整序化を図る国営農地再編整備事業を東宗谷地区で実施するほか、泥炭土に起因して地盤沈下した農用地や農業用排水施設の機能回復を図る国営総合農地防災事業をサロベツ地区外3地区(サロベツ地区は地区完了)で実施します。
 港湾整備事業では、重要港湾稚内港で大型クルーズ船の受入環境改善を図る本港地区航路の浚渫と北ふ頭地区北防波堤ドームの老朽化対策を、地方港湾5港で物揚場、岸壁、防波堤等の改良を進めます。
 空港整備事業では、稚内空港で航空機の安全な運航を維持するための舗装改良、老朽化した場周柵の更新、オーバーランやアンダーシュートの際の機体損傷を軽減する滑走路端安全区域(RESA)の拡張整備を行います。
 道路事業では、防災・防雪対策として、地吹雪による視程障害解消のため40号天塩防災及び海岸浸食による道路破損等解消のため238号浜猿防災事業を、交通安全対策として、238号山臼歩道整備・問牧歩道整備を、無電柱化として、40号稚内中央電線共同溝をそれぞれ実施します。
 結びに、本年が皆様にとって健やかで明るい年となりますよう御祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。

舘石 和秋 たていし・かずあき
昭和63年3月 岩手大学農学部農業土木学科 卒業
昭和63年4月 北海道開発庁(網走開発建設部) 採用
平成20年4月 農業水産部農業水利課事業調査官
平成20年10月 農業水産部農業設計課農業企画官
平成22年4月 帯広開発建設部帯広農業事務所長
平成24年4月 釧路開発建設部次長
平成25年4月 開発監理部開発調査官
平成27年4月 札幌開発建設部次長
平成28年4月 北海道局農林水産課企画官
平成29年4月 農業水産部農業整備課長
平成31年4月 稚内開発建設部長

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