建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2020年2月号〉

【年頭所感】

農業農村整備で食料供給や生産性向上を図り「食」「観光」強みを生かした地域振興を支援

 国土交通省 北海道開発局
 網走開発建設部 部長
村上 昌仁

 新年明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。平素より網走開発建設部の事業実施に関しまして、ご理解とご協力を賜り、お礼を申し上げます。
 昨年は、元号が「平成」から「令和」に変わる区切りの年でしたが、5月に管内で39.5℃の5月における全国最高気温の記録を更新したのをはじめ、全国各地で異常気象による風水害等が多数発生し、日本列島に大きな爪痕を残しました。お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
 当部管内におきましては、平成28年8月洪水、平成30年の北海道胆振東部地震等、近年北海道で発生した大規模自然災害に鑑み、ハード・ソフト対策を含めた防災・減災、国土強靱化の取組を一層進めてまいります。
 さて、北海道開発局では、第8期北海道総合開発計画において、「食」と「観光」を戦略的産業と位置づけて『世界の北海道』の実現を目指すため、農林水産業、観光産業等を担う『生産空間』を支えていく取組を推進するとしています。この8期計画は今年が中間年であり「人が輝く地域社会」、「世界に目を向けた産業」、「強靱で持続可能な国土」という3つの目標に対して、当部では所管する河川、道路、港湾・漁港、農業の社会基盤整備を通じて、食と観光の“メッカ”であるオホーツク圏の強みを活かした地域づくりを支援し、目標達成に向けて関係機関としっかり連携しフォローアップを図り、人々が豊かな暮らしを送ることができる地域社会の形成が図られるよう事業推進に努めてまいります。
 具体的には「人が輝く地域社会」に関しては、『生産空間』の担い手である地域住民が安心して暮らせるよう、通勤・通学・通院などを支える国道の整備や維持管理・除排雪、交通安全対策等を推進します。「世界に目を向けた産業」に関しては、食料供給基地としての持続的発展を目指して、農業農村整備事業では新たに国営かんがい排水事業「北見二期地区」に着手し、農業用水の安定供給、農業生産性の向上及び農業経営の安定を図ります。物流の効率化・輸出競争力強化では昨年12月に開通した旭川・紋別自動車道「遠軽瀬戸瀬IC〜遠軽IC」間(延長6.8km)の先線である「遠軽IC〜上湧別」間の新規事業化に向けて、概略ルート・構造の検討(計画段階評価を進めるための調査)を推進するとともに、昨年4月に新規事業化となった北海道横断自動車道(網走線)「端野〜高野」間の早期着工を目指してまいります。
 また、港湾整備事業では、昨年の10月に一部供用を開始した紋別港の屋根付き岸壁や網走港の整備、水産基盤整備事業では、ウトロ漁港の防波堤など第4種漁港の整備を促進します。さらに、四季折々の魅力にあふれるオホーツク観光を、国内外からのお客様に安心して楽しんでいただけるよう、適切な道路案内情報の提供などに努めていきます。「強靱で持続可能な国土」に関しては、気候変動等に伴う水害・土砂災害の頻発・激甚化への備えや再度災害防止等のため、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に基づき、洪水氾濫を未然に防ぐための河川改修等のハード対策、昨年7月に完成した「常呂川下流地区水害タイムライン試行版」の活用をはじめとしたソフト対策を一体的に推進するとともに、河川管理施設等の計画的・効率的な維持管理・更新による社会資本の老朽化対策を推進していきます。また、「網走かわまちづくり」など、河川環境や水辺空間を活用し、地域の活性化や観光振興など魅力ある地域づくりに向けた取り組みを進めてまいります。
 網走開発建設部では、今年も様々な取組を進めてまいりますので、引き続き皆様方のご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様方のご健勝とご多幸を祈念しまして、新年のご挨拶といたします。

村上 昌仁 むらかみ・まさひと
昭和54年3月 北海道旭川工業高等学校卒業
昭和54年4月 北海道開発局採用
平成19年4月 国土交通省北海道開発局留萌開発建設部道路第2課長
平成21年9月 同 北海道開発局帯広開発建設部道路課長
平成22年4月 同 北海道開発局札幌開発建設部道路調査課長
平成23年4月 同 北海道開発局札幌開発建設部道路計画課長
平成24年4月 同 北海道開発局建設部道路維持課長補佐
平成26年4月 同 北海道開発局建設部道路維持課道路防災対策官
平成27年4月 同 北海道開発局室蘭開発建設部次長
平成28年4月 同 北海道開発局事業振興部技術管理課長
平成29年7月 同 北海道開発局事業振興部工事管理課長
平成31年4月 同 北海道開発局網走開発建設部長

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