建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2020年2月号〉

【年頭所感】

「北海道胆振東部地震」被災地復旧や
インフラ整備事業強化で「食」「観光」産業振興を支援

 国土交通省 北海道開発局
 室蘭開発建設部 部長
米津 仁司

 明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
 室蘭開発建設部が実施している事業の推進につきましては、日頃から特段のご支援とご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。本年も地域の皆様の安全・安心を念頭に、また我々の仕事が地域づくりの一助となるよう、職員一丸となって取り組んでまいりますので、昨年同様のご支援をお願いいたします。
 昨年は全国で大きな自然災害が発生しましたが、当部管内においても一昨年の北海道胆振東部地震で多くの自治体が甚大な被害を受けました。当部では被災地域の1日も早い復興に向けて全力で取り組んでいるところです。大規模な河道閉塞が発生した厚真川水系日高幌内川等の緊急的な砂防工事等、緊急復旧工事については完成しており、今後は恒久的な対策工事を進めてまいります。
 近年は自然災害が頻発・激甚化する傾向にあり、災害に強い社会資本整備の必要性や建設業の果たす役割の重要性を強く感じております。本年も防災のためのインフラ、国民経済・生活を支えるインフラについて、災害時にしっかり機能を維持できるように各事業において取り組むとともに、災害発生時はいち早く被災地へ出向き、二次災害の防止や応急復旧のための被災状況調査、災害対応についての技術的助言、災害対策用機械による応急対策など、被災自治体の早期復旧に向け、テック・フォース(緊急災害対策派遣隊)が全力を挙げて応援・支援を行ってまいります。
 河川、砂防、海岸事業では、鵡川・沙流川の河道掘削、平取ダム本体工事、樽前山の砂防堰堤整備、胆振海岸の人工リーフの整備等を実施してまいります。
 道路事業では、耐震対策を行った国道276号緑跨線橋の架け替えは昨年完了、引き続き道路の防災・減災対策として、高規格幹線道路日高自動車道の整備や国道453号蟠渓道路等の防災事業を進めるとともに、今年白老町に開設する民族共生象徴空間ウポポイへのアクセス向上のため、国道36号白老拡幅について鋭意工事を進めており、令和元年度中に開通する見通しとなっています。
 港湾事業では大規模災害時における緊急物資輸送強化のため、岸壁の改良整備等を、漁港では漁業活動の安全性の向上のための施設整備等を実施してまいります。
 農業事業では、一昨年に被災した勇払東部地区や新鵡川地区等について、暫定用水の確保や施設の応急復旧は終えており、今後は本格的な復旧工事と用排水施設の整備を進めてまいります。
 管内は道内有数の製造業、多彩な農水産資源、豊かな自然を活かした観光資源があり、また、管内の縄文遺跡群の伊達市の北黄金貝塚、洞爺湖町の入江貝塚や高砂貝塚は、来年の世界文化遺産登録を目指して準備が進められるなど、魅力にあふれる地域です。
 当部としても、北海道総合開発計画に基づき、世界に通用する価値を創造することを目的とした「世界の北海道」の実現を目指して、今年誕生するウポポイを通じて触れることができるアイヌ文化や北海道の強みである「食」・「観光」などの多様な魅力をつなぎ合わせ、地域の発展に貢献できるよう各種事業や取組を進めるとともに、地域の安全・安心を支えるパートナーとして建設業界の皆様の協力の下、今後も地域に寄り添って被災地の復興に努めてまいります。
 本年が皆様にとって希望に満ちた、輝かしい年となりますようご祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。

後藤 貞二 ごとう・ていじ
米津 仁司 よねつ・ひとし
平成2年3月 室蘭工業大学大学院修了
平成2年4月 北海道開発庁採用
平成8年4月 北海道開発局 石狩川開発建設部 千歳川放水路建設事務所 計画課長
平成11年4月 同 室蘭開発建設部 治水課長
平成14年4月 同 帯広開発建設部 池田河川事務所長
平成15年4月 国土交通省 北海道局 企画課開発専門官
平成16年7月 同 北海道局 参事官付開発専門官
平成17年4月 北海道開発局 建設部 河川計画課長補佐
平成19年7月 同 建設部 河川管理課 河川情報管理官
平成21年4月 近畿地方整備局 猪名川河川事務所長
平成23年4月 国土交通省 北海道局 参事官付技術企画官
平成25年7月 北海道開発局 函館開発建設部 次長
平成26年4月 同 札幌開発建設部 事業調整官
平成27年4月 同 事業振興部 防災課長
平成29年7月 同 建設部 河川計画課長
平成30年7月 同 室蘭開発建設部長

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