建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2020年2月号〉

【年頭所感】

食料供給力・生産向上に向け農業生産基盤の強化や
河川整備、高速交通ネットワーク等を推進する

 国土交通省 北海道開発局
 旭川開発建設部 部長
鹿嶋 弘律

 新年明けましておめでとうございます。新しい年を迎え、謹んで皆様のご健勝を心からお慶び申し上げます。
 皆様には平素から北海道開発行政に対して、特段のご理解とご協力を賜り厚くお礼を申し上げます。
 昨年を振り返りますと、北海道においては大きな災害が発生しなかったものの、全国的には相次ぐ台風等による風水害が発生し、甚大なる被害が頻発したところであり、当部からも東北地方などの被災地へTEC-FORCEの派遣や路面清掃車、排水ポンプ車等の支援を行ってきたところです。このように気候変動の影響等により、頻発化、激甚化する自然災害から国民の生命と財産を守るため、防災・減災、国土強靱化対策にしっかり対応していきたいと考えています。また、昨年3月にはサンルダムが竣工し、天塩川流域の治水・利水安全度の向上が期待されています。
 各事業につきましては、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」や昨年12月に閣議決定された「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」を着実に推進するとともに、本年中間点検を迎える第8期北海道総合開発計画の実現に向けて取り組みを推進していきます。
 治水事業では、石狩川上流及び天塩川上流地域における治水安全度の向上を図る堤防強化、樹木伐採及び河道掘削等の整備を推進します。
 砂防事業では十勝岳噴火に備えた十勝岳火山噴火泥流対策や層雲峡小学校の沢遊砂地等の整備を推進します。
 道路事業では、高規格幹線道路ネットワークの構築に向け、北海道縦貫自動車道士別剣淵〜名寄間、音威子府バイパス、旭川十勝道路等の整備を推進するとともに、道路の防災対策、老朽化対策や交通安全対策等を推進します。
 農業農村整備事業では、食料供給力や産地競争力向上のため、担い手への農地集積・集約化を促す基盤づくりとして富良野盆地地区等8地区で事業を継続、また、農業用水の安定供給や農業水利施設の保全・更新を図るため、当麻永山用水地区等5地区で事業を継続します。
 また、建設関連業界との関係では、日本全国で人口が減少し、人手不足が深刻化する中、インフラの整備・維持管理や災害対応に重要な役割を果たしている建設業・建設関連業の担い手確保・育成のため、昨年3月に「北のけんせつ担い手」育成会議(旭川開発建設部、上川総合振興局旭川建設管理部、旭川建設業協会、上川調査設計協会、旭川市)を設立しました。今後とも本会議メンバーが協力して担い手確保の取組を推進し、建設産業の魅力をアピールしていきたいと考えております。更にこれらの業界を魅力ある職場とするため、働き方改革の実現に向けて、週休二日の推進、施工時期の平準化に係る取組、i-Construction等を活用した生産性向上の取組などを加速して参りたいと考えています。
 今後とも地域との連携を図りながら、社会資本整備を着実に推進していきますので、皆様のより一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 最後に本年が皆様にとりまして幸多い1年となりますようご祈念申し上げまして、年頭のご挨拶とします。

鹿嶋 弘律 かしま・ひろのり
平成元年3月 北海道大学 農学部 農業工学科卒業
平成元年4月 農林水産省構造改善局建設部設計課採用
平成17年4月 農林水産省大臣官房企画評価課課長補佐
平成19年4月 同 農村振興局整備部農地整備課課長補佐
平成20年8月 同 農村振興局整備部農地資源課課長補佐
平成21年4月 岡山県笠岡市政策部長
平成24年4月 農林水産省東北農政局整備部設計課長
平成26年4月 全国土地改良事業団体連合会 企画研究部長
平成28年4月 農林水産省農村振興局整備部水資源課水資源企画官
平成29年4月 同 農村振興局農村政策部地域振興課中山間地域室長
平成30年10月 同 農村振興局農村政策部地域振興課 中山間地域・日本型直接支払室長
平成31年4月 国土交通省北海道開発局旭川開発建設部長

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