建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2020年2月号〉

【年頭所感】

高規格幹線道路整備推進で世界水準の観光地形成や
食の生産空間の整備事業を推進

 国土交通省 北海道開発局
 小樽開発建設部 部長
渡邊 政義

 令和として最初の新年を迎えました。謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 皆様には日頃から、小樽開発建設部の事業推進につきまして、特段のご理解とご協力を賜り、厚くお礼申し上げます。さて、小樽開発建設部が管轄する小樽・後志地域は、北海道総合開発計画が掲げる「世界の北海道」を象徴する魅力ある地域の一つとして、ブランド力のある果樹・米・野菜や水産物などの多様性と美味に満ちた「食」と、小樽・ニセコ地域など内外から多くの観光客を引きつける「観光」の魅力を併せ持つ、極めてポテンシャルの高い地域であります。小樽開建ではこの地域の潜在力を引き出し、小樽開建のスローガンである「世界の後志」を実現すべく、各種の社会基盤整備などを鋭意実施しているところです。
 まず、道路整備に関しては、小樽開建の主要事業として、北海道横断自動車道と平行する自動車専用道である一般国道5号倶知安余市道路の整備について、延長約4kmの新稲穂トンネル工事を含め、橋梁工事や土工工事を全面展開いたします。また、管内国道総延長約490kmに対して、除雪等の道路管理に万全を期すと共に、防災対策、老朽化対策、交通安全対策、無電柱化等の整備を進めます。さらに、昨年G20観光大臣会合開催地として脚光を浴びたニセコ地域などにおいて、世界水準の観光地に相応しい道路景観を守り育てるために、シーニックバイウェイ北海道やサイクルツーリズム推進の活動団体など沿線地域と協働しながら、魅力ある地域づくりを推進します。
 治水事業では、全国で大型台風による洪水被害が頻発する中、一級河川・尻別川において、洪水氾濫を未然に防ぐハード対策として、河道の掘削を鋭意行います。また、ソフト面では北海道、蘭越町、防災関係機関等と連携して、万一の際、命を守る行動を促すため、現行のタイムラインの必要な見直し、防災教育の実施、洪水ハザードマップの普及啓発などに努め、洪水被害の軽減に向けた取組を引き続き進めます。
 港湾整備事業に関しては、小樽港において、観光都市の魅力向上に寄与すべく、訪問客の主要動線に直結する第3号ふ頭において、大型クルーズ客船の受入環境を整えるための岸壁改良等を鋭意進めます。そして、石狩湾新港では、船舶の安全な利用環境を整備するために北防波堤延伸を行うとともに、岩内港では港湾施設の老朽化対策を進めます。
 また、管内の「食」の生産空間を整備する取組として、農業農村整備事業では、国営緊急農地再編整備事業「ニセコ地区」において、農地の大区画化や傾斜・排水改良などの整備を進めます。また、国営かんがい排水事業「中後志地区」において、老朽化が進む双葉ダムと関連用水施設の改修や用水再編事業に着手します。そして、水産基盤整備事業では、古平漁港における耐震岸壁の整備、美国漁港における水産物の衛生管理に資する屋根付き岸壁の整備、寿都漁港における作業効率を高める新埠頭施設の整備などを進めます。
 これらの事業実施にあたっては、建設現場における測量・設計から施工、さらに維持管理にいたる全プロセスで「情報通信技術」を活用する取組、いわゆるi-Construction について、小樽開建は、国土交通省の全国10カ所のi-Construction モデル事務所の一つとして、関連する各種取組を鋭意進め、「生産性の向上」のみならず、後志地域の「働き方改革」にも寄与できるよう、積極的に役割を果たしていきます。
 このように、小樽開建では、今年も皆様方のご理解・ご支援の下、様々な事業・取組を鋭意進めてまいります。むすびになりますが、今年一年を通じて、小樽・後志地域の益々の発展ならびに皆様方のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、年頭のご挨拶といたします。

渡邊 政義 わたなべ・まさよし
平成元年3月 北海道大学大学院工学研究科修了
平成元年4月 北海道開発庁採用
平成6年4月 建設省東北地方建設局郡山国道工事事務所調査課長
平成10年9月 北海道開発庁企画室開発専門官
平成14年4月 北海道開発局旭川開発建設部道路第1課長
平成16年4月 外務省在フィンランド日本国大使館一等書記官
平成20年5月 北海道開発局建設部道路計画課道路調査官
平成24年11月 北海道開発局札幌開発建設部次長
平成27年4月 東北地方整備局秋田河川国道事務所長
平成29年4月 北海道開発局事業振興部都市住宅課長
平成30年7月 北海道開発局網走開発建設部長
平成31年4月 北海道開発局小樽開発建設部長

HOME