建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2020年2月号〉

【年頭所感】

防災・減災対策や国土強靭化を最優先に北海道総合開発計画の実現に向け努力

 国土交通省 北海道開発局
 札幌開発建設部 部長
鈴木 亘

 新年、明けましておめでとうございます。皆様には健やかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げますとともに、日頃から当部の事業推進に特段のご支援とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
 昨年を振り返りますと、「令和元年台風第19号」による災害により、国民経済や国民生活に甚大な影響が発生しました。災害により亡くなられた方々、被災された方々には心よりご冥福とお見舞い申し上げます。当部からは発災直後からTEC-FORCE及び排水ポンプ車などを被災地に派遣し、最大限の支援活動を続けて参りました。一日も早い復興を心からお祈り致します。
 さて、8期目となる北海道総合開発計画は、今年で中間となる5年目を迎えます。世界水準の価値創造空間の形成に向けて、地域の皆様との連携を図りながら、「世界の北海道」を目指して最優先課題及び重点事項に取り組んで参ります。最優先課題として、1つ目は、防災・減災、国土強靱化について、近年、管内でも多くの自然災害が発生していることから、国土強靱化等を推進するとともに、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」に基づいた対策を実施します。
 2つ目は、アイヌ文化の復興等を促進するため、「民族共生象徴空間(愛称:ウポポイ)」の今年4月24日の一般公開に向け工事等を進めております。開園した暁には、多くの方々が足をお運びいただけますことを願っております。北海道開発の重点事項として、1つ目の「食料供給基地としての持続的発展」の取り組みについては、農業生産の向上、農産物の品質・収量の向上など地域農業の維持・発展に向け、ICTを活用した「スマート農業」の推進に寄与する国営農地再編整備事業等により、農地の大区画化を行います。また、農業の生産力の確保を図るため、国営かんがい排水事業等により、農業水利施設等の計画的な保全・更新を行います。北海道の「食」の高付加価値化及び国際競争力強化を支える物流ネットワークの整備を推進しており、道央都市圏と他圏域とのアクセス強化などを図る「道央圏連絡道路」は、泉郷道路が今年度開通予定であり、他の事業区間も早期開通に向けて事業進捗を図ります。
 2つ目の「観光先進国」実現をリードする世界水準の観光地形成の取り組みについては、北海道のインバウンド観光の更なる振興に対応するため、新千歳空港における冬期の航空機の安定運航を図る誘導路の新設や今年完了する国際線ターミナル地域の再編(南側誘導路新設等)を行います。すべての旅行者がストレスなく快適にドライブ観光を満喫できるよう、道路情報板による英語での情報提供や高速道路ナンバリング標識等の環境整備を推進します。
 また、2020東京オリンピック競技大会のマラソンと競歩が札幌で開催されることから、当部としましても大会の成功に向け最大限協力して参ります。国営滝野すずらん丘陵公園では、四季を通して多様なニーズに対応したイベントを展開するとともに、外国人初心者スキーレッスンの開催等、外国人観光客が快適・円滑に公園を楽しむための受入環境整備を推進します。さらに、四季折々の川の自然環境や景観、水辺などの河川空間を活用したサイクルツーリズムや、かわたび北海道プロジェクトの推進、「空知シーニックバイウェイ」をはじめとするシーニックバイウェイ等を通して、地域と共にインフラを賢く使う取組を進めます。
 3つ目の「強靱な国土づくりと安全・安心な社会基盤の形成」の取り組みについては、千歳川遊水地群を今年供用開始するとともに、河道掘削や堤防整備等の根幹的な河川整備、北村遊水地の整備を推進します。また、「水防災意識社会」を再構築するため、関係機関と連携したタイムラインの作成・支援などソフト対策や天端保護工など減災のための危機管理ハード対策を推進します。さらに、土砂災害等に対応した法面防災対策、橋梁等の老朽化対策や、冬期交通の安全確保と暴風雪災害時におけるきめ細やかな地域支援、無電柱化(電線共同溝整備)等を推進します。
 今年も各方面の方々からのご意見を大切にしながら、北海道総合開発計画の実現に向け努力をしていきたいと考えております。引き続き皆様のご支援、ご協力をお願いいたします。
 新しい年が皆様にとりまして実り豊かで幸多き一年になりますことをご祈念申し上げ、年頭のご挨拶といたします。


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