建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2020年1月号〉

【寄稿】

産業・経済・文化・暮らしに大きな役割を果たす三陸沿岸道路(宮古中央〜田老)

―― 力強い槌音とともに進む力強い復興

 国土交通省 東北地方整備局
 三陸国道事務所長
松 昭浩

三陸沿岸道路 宮古田老道路(宮古中央IC 上空から宮古湾を望む)


 三陸国道事務所が管理する国道45号は、仙台市と青森市を結び東北地方を太平洋沿いに縦貫する、総延長681.7km(うち岩手県内305.3km)の幹線道路です。その中で、岩手県内を走るルートは「三陸国道」と呼ばれ、三陸地方の陸上交通の動脈として、産業・経済・文化・暮らしに大きな役割を果たしてきました。
 私たちはその三陸国道の維持管理を行い、将来のより効率的な道路網体系を調査計画しています。道を守り育てることを通して、人々の心をつなぎ、潤いのある豊かな地域づくりに貢献しています。
 現在、施工を進めている三陸沿岸道路は「復興道路」として、東日本大震災からの早期復興に向けたリーディングプロジェクトと位置づけられ、平成23年11月に全線事業化されました。
 沿岸地域の南北軸を高規格な道路で結び、東日本大震災からの早期復興をはじめ、防災ネットワークの形成、地域活性化等に寄与する道路として、整備を進めています。その内、宮古田老道路(宮古中央〜田老)は、宮古市松山から宮古市田老を結ぶ21kmの自動車専用道路となります。
 国道45号の線形不良区間、津波浸水区間を回避し、走行性が向上するとともに、所要時間の短縮により救援物資の輸送拠点となる久慈港と宮古市間のアクセス性向上、救急医療施設への速達性向上等の効果が期待されています。


 平成30年3月21日には、田老真崎海岸IC〜田老北IC間の4kmを先行して開通しており、令和元年度は、改良工事、トンネル工事、舗装工事、道路付属物工事を促進し、令和2年度夏頃に宮古中央IC〜田老真崎海岸IC間17kmを完成させ、宮古田老道路21kmの全線開通を目指しています。更に宮古西道路と同時に開通することにより、物流や観光、救急医療を支えるとともに「緊急輸送路」として防災効果も期待されています。
 次に各区間毎の工事内容を紹介します。宮古中央IC〜宮古北IC間では舗装工事を進めています。
 宮古北ICは宮古市道北部環状線(令和元年11月30日全線開通済み)と交差する区間になります。土工 工事が終わり、舗装工事に着手しています。今後も舗装や標識設置等の工事を進める予定です。
 田老南ICでは法面対策や土工等の工事を進めています。
 なお、当事務所では道路整備の現場へのご理解を深めて頂くため、工事見学も募集しています。ご希望が御座いましたら、お気軽に下記URLへアクセス頂き、お申し込み下さい。

 国土交通省 東北地方整備局 三陸国道事務所
 ・総務課(地域づくり担当)/ TEL 0193-71-1711 FAX 0193-71-1734
 ・工務第一課(事業担当)/ TEL 0193-71-1745
 ホームページURL   http://www.thr.mlit.go.jp/sanriku/

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