建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2019年12月号〉

【寄稿】

無事故・無災害にむけて

―― すさみ串本道路工事安全協議会の活動について

 すさみ串本道路工事安全協議会 会長
 (株)尾花組
南 博文



 現在工事中のすさみ串本道路(延長:19.2km)は平成27年度に開通した紀勢線(田辺〜すさみ)の延伸道路として、事業起点となる串本町サンゴ台から紀勢線(田辺〜すさみ)終点となるすさみ南ICの間で工事用道路施工及び本線施工を進めております。
 本事業は大阪府松原市を起点とし、三重県多気郡多気町に至る近畿自動車道紀勢線の一部であり、京阪神と紀南地域を結ぶ高速ネットワークの形成による「広域連携の強化」、「沿線地域の観光活性化」、また「南海トラフ大地震等災害時の交通確保」や「救急医療活動の改善」等多くの意義を持つ高規格幹線道路として地域からも期待されております。
 すさみ串本道路工事安全協議会(紀勢線出張所・紀勢線建設監督官詰所管内)はすさみ串本道路事業に関係する発注者(紀南河川国道事務所)及び受注者17社(令和元年10月現在)で構成されており、活動内容として月1回の工事関係者連絡会議において、工事施工に関する連絡調整や事業進捗に伴う懸案事項、通達等の情報共有及び月毎にテーマを定めた協議会全体のディスカッション、工事現場安全パトロールを実施すると共に所轄労働基準監督署より講師を招き連絡会議、パトロールに参加していただく事で協議会員の安全知識、安全意識の向上を図っております。
 また、安全協議会と並行してすさみ串本道路事業における主要工種である土工事に伴う土砂運搬に関するダンプトラックの安全運行管理を実施する組織としてダンプ運行安全協議会を発足し、協議会員が当番制で残土処理場等への運行経路上の要所で運行状況、運転マナーを基にチェックし、不適切な運行車両への是正指導やチェックポイントにおいて地元住民との積極的なコミュニケーションを図る事により、交通災害防止、地域からの苦情低減、事業への理解向上を推進しております。


 その他の活動として地元串本町で開催される串本まつり花火大会への協賛や平成30年度に当該地域に接近し多大な被害をもたらした台風24号の襲来時には協議会員である3社が工事箇所に近接した幹線道路や漁港等被災箇所の復旧作業にあたり迅速な対応が早期の機能回復に寄与したと評価され串本町長より感謝状を授与されるなど事業を通じて地域に密着した活動に取り組んでおります。
 最後に本安全協議会については、前述の当該地域における事業の重要度、地域の期待度を加味した上で早期の道路開通を実現するためにも、更なる活動内容の充実を図ると共に、地域、受注者、発注者が三位一体となり連携をとる事により、平成30年度の協議会発足以来継続中である「無事故・無災害」を事業期間全体で達成する事を最終目標として安全活動に邁進してまいります。


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