建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2019年11月号〉

【寄稿】

国際バルク戦略港湾政策(穀物)の推進による
水島地区と玉島地区の効率的な連携輸送の実現

―― 水島港玉島地区岸壁(-12m)等の整備に全力投球

 国土交通省 中国地方整備局
 宇野港湾事務所 所長
由木 誠

 私たち宇野港湾事務所は、中国地方整備局の5つの港湾・空港を担当する事務所のひとつで、1922年(大正11年)に宇野港(現在の宇野地区)が内務省指定港湾となり、1932年(昭和7年)に設置された宇野港修築事務所をはじまりとしています。
 現在は、岡山県内の港湾整備を所管し、水島港において直轄事業を実施しています。この水島港は、鉄鋼、石油精製、石油化学、自動車などの多様な産業が立地する我が国屈指の水島臨海工業地帯の玄関口であり、中国地方で最も多くの港湾貨物を取り扱う我が国有数の工業港として、地域の経済、産業に大きな役割を果たしています。
 本港は、岡山県中西部の高梁川の河口部に位置し、江戸時代に代表的な商港として発展した玉島地区と水島臨海工業地帯の海の玄関である水島地区の主に2つの地区からなります。
 昭和35年には、玉島港と水島港が併合し重要港湾に指定され、平成15年には特定重要港湾に昇格し、平成23年には港湾法の改正に伴い「国際拠点港湾」へと港格が変更されました。
 玉島地区では、コンテナ貨物の急増に対応するために国際物流ターミナルの整備を進めており、平成25年3月には岸壁(-12m)耐震1バースが完成しました。
 また、既存の岸壁(-10m)2バース、岸壁(-7.5m)4バース等と併せて効率的な利用を図るため、平成26年1月には国際拠点港湾では全国で初めて、水島港国際物流センター株式会社が、コンテナターミナル等を一体的に運営する「港湾運営会社制度」による指定を受け、同年4月より運営が開始しました。
 これらの取り組みにより、国際定期コンテナ航路は中国、韓国、台湾を合わせた2カ国1地域で18航路(週19便)に増加する等、さらなる貨物量の増大が予測されることから、本事務所においては、生産拠点の水島地区と物流拠点の玉島地区を結ぶ臨港道路(橋梁)である倉敷みなと大橋を平成29年3月に供用開始しました。
 また、平成23年5月の国際バルク戦略港湾(穀物、鉄鉱石)への選定を受け、平成28年11月に港湾計画の一部変更を行っています。
 これを受けて、平成29年度より穀物の安定的かつ安価な輸入の実現に向けた輸入拠点の整備と効率的な海上輸送網を形成し、国際バルク戦略港湾政策を推進させるため、連携輸送を行う水島地区及び玉島地区のうち、玉島地区の岸壁(-12m)等の整備に先行して着手しています。早期完成に向けて全力を挙げています。

玉島地区のコンテナターミナル
 
倉敷みなと大橋
 
整備中の玉島地区岸壁(-12m)(全景)【令和元年10月撮影】
 
整備中の玉島地区岸壁(-12m)
(ジャケット据え付け状況)【平成30年10月撮影】
 


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