建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2019年8月号〉

 副局長インタビュー 渡島総合振興局・檜山振興局

高規格道路網と一体化となった交通ネットワークの形成で道南地域の産業発展と活性化に波及させる

北海道 渡島総合振興局 副局長(建設管理部担当) 兼 檜山振興局 副局長  坂野 伸治 さかの・しんじ    北海道出身  室蘭工業大学（昭和62年3月卒業）  平成元年6月 採用  平成22年4月 十勝総合振興局帯広建設管理部事業室治水課長  平成24年4月 建設部土木局河川課主幹  平成26年4月 十勝総合振興局帯広建設管理部事業室地域調整課長  平成27年6月 宗谷総合振興局稚内建設管理部事業室長  平成29年4月 建設部建設政策局建設管理課技術管理担当課長  令和元年6月 現職

──副局長就任にあたりまして抱負をお聞かせ下さい

坂野 渡島・檜山管内は、温暖な気候と豊かな農林水産物、数多くの歴史・文化遺産などの観光資源に恵まれた、北海道の中でも魅力あふれる地域。こうした魅力を活かした地域づくりを進めていくため、地域の生活道路となっている道道の未整備区間の改良などに引き続き取り組むとともに、高規格幹線道路等と接続する道路整備により、高規格道路と一体となった幹線道路ネットワークの構築に取り組みながら、物流ネットワークの形成、交流人口の拡大による活力ある地域づくりに貢献してまいります。
 また、近年、全国的に大規模自然災害が頻発しています。道南では駒ヶ岳・恵山が常時観測火山に指定されており、地域の防災意識を高めていく必要があると考えています。函館建設管理部といたしましては、頻発化・激甚化する自然災害から道民の生命と財産を守るため、強靱で災害に強い地域づくりが急務となっており、ハード・ソフトの両面から防災・減災に向けた取組を推進してまいります。

── 安全で安心な地域づくりや防災対策強化に向けた取組みについてお聞かせください

湯の川総合流域防災工事

坂野 災害に強い道路交通環境の整備として、道道江差木古内線(上ノ国町)の法面対策、道道奧尻島線(奥尻町)緊急輸送道路の耐震補強を進めます。河川事業では洪水被害防止のため、湯の川（函館市）、久根別川（北斗市・七飯町）、厚沢部川（江差町・厚沢部町）、太櫓川（せたな町）などにおいて、堤防・護岸などの河川施設の整備を進めます。また、洪水に備えた円滑かつ迅速な避難に資する施設等の整備として、道管理河川への危機管理型水位計や簡易型河川監視カメラの設置などを進めます。砂防事業では、火山砂防事業において駒ヶ岳（森町）における泥流調整地の整備を進め、通常砂防事業では新栄町沢川（江差町）の今年度完成を図ります。急傾斜地崩壊対策事業では南茅部川汲（函館市）、厚沢部本町1（厚沢部町）などがけ崩れ防止を目的とした事業を継続してまいります。建設海岸事業では、高潮対策のため、度杭崎海岸（森町）において護岸工などの整備を、漁港事業では静狩漁港（長万部町）において防砂堤の整備などを進めます。その他、土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等の指定に必要な基礎調査を今年度内に完了すべく重点的に実施してまいります。

── 平成31年度（令和元年）予算執行にあたり北海道の基幹産業の農業・水産業の向上や観光振興、環境整備事業などの取組をお伺いします

駒ヶ岳火山砂防事業（砂原地区）

坂野 豊かな農林水産物、数多く歴史・文化遺産などの観光資源に恵まれている道南は、北海道新幹線の開業により、東北や北関東地方などとの新たな経済・文化交流圏を作り出す北海道の玄関口として益々重要な役割を担っています。
 当建設管理部といたしましては、高規格道路網と一体となった交通ネットワークの形成に向けて、国が整備する函館新外環状道路「日吉IC」にアクセスする「3・3・22放射4号線」、「３・４・６６日吉中央通」、「3・6・82臨空工業団地通」、「函館空港IC」にアクセスする「3・3・77空港通」の事業の進捗に努めるほか、道道函館上磯線（通称：産業道路）の渋滞緩和が期待される「3・4・47文教通」などの事業を引き続き推進してまいります。

静狩漁港機能強化工事（補正）

── 社会資本整備事業の担い手として地域社会に貢献し災害時における復旧対策などを担う建設業界への要望・期待などをお聞かせください

3・6・82臨空工業団地通交付金湯の沢川橋新設(上部工）工事

坂野 建設業は、地域の社会資本整備を進めるうえで重要な産業であるとともに、地域の雇用・経済を支える基幹産業であり、また、災害時には地域の安全・安心を確保する重要な役割も担っており、異常気象による自然災害が頻発化する中、その重要性は一層、高まっているところです。
 一方、建設業では、近年、若年労働者の減少や就業者の高齢化など様々な課題を抱えています。こうした状況を踏まえ、道では、昨年3月に策定した「北海道建設産業支援プラン2018」に基づいて、建設産業の持続的発展に向けた取組を推進しているところであり、当建設管理部といたしましては、地域に密着した存在である建設業の皆さまと今後も綿密な連携を図りながら、建設業が魅力ある産業として、今後とも地域における役割を果たしていくことを期待しています。