建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2019年8月号〉

 副局長インタビュー 後志総合振興局

自然災害から地域住民の安全・安心な暮らしを守る社会資本整備や交通ネットワークの機能整備を推進

 後志総合振興局 北海道 後志総合振興局 副局長(建設管理部担当)
越智 通浩
 おち・みちひろ
 昭和36年10月10日生まれ、札幌市出身
 昭和59年 千葉工業大学卒
 平成20年4月1日 小樽土木現業所道路建設課長
 平成22年4月1日 建設部まちづくり局都市環境課主幹
 平成24年4月1日 宗谷総合振興局稚内建設管理部 事業室長
 平成25年4月1日 日本下水道事業団北海道総合事務所長
 平成27年6月1日 建設部まちづくり局都市環境課公園下水道担当課長
 平成30年4月1日 建設部まちづくり局都市環境課課長
 令和元年6月1日 後志総合振興局副局長(建設管理部担当)

── 副局長就任にあたりまして抱負をお聞かせください
越智 10年ぶりの小樽建設管理部での勤務。当時は道路建設課長として、余市赤井川線の冷水トンネルの着手や、小樽西インター線(現小樽塩谷インター線)の着手に向け、NEXCOなど関係機関との協議会を行ったことを思い出します。その他、当時計画していた道路が立派に完成しており、そうした道路を利用して、道内有数の観光地を有する魅力あるこの地域で、公私とも楽しみたいと考えています。
 近年、全国各地で大水害が発生するなど自然災害の多様化・激甚化が想定される中、後志管内は山地や海岸部で急峻な地形が多く、豪雪地帯でもあることから、大雨や土砂災害に加え、高波、暴風雪、地震、津波などから、住民の安全・安心な暮らしを守る施設や災害に備えた社会資本を整備する必要があります。
 また、当管内では北海道新幹線や北海道横断自動車道といった高速交通ネットワークの整備が着々と進められており、小樽建設管理部では、こうした整備の供用効果を高めるための、交通ネットワークの機能強化に向けた道路整備を進めます。
── 安全で安心な地域づくりや防災対策強化に向けた取組みについてお聞かせくださいい
道道泊共和線 国富工区
越智 道路事業では、泊原子力発電所の避難道路である道道泊共和線について、国富1号トンネルの掘削を完了し、茅沼2号トンネルの掘削、茅沼工区の土工事などを進めます。また、小樽定山渓線朝里大橋など橋梁補修や小樽海岸公園線新高島トンネルの補修など老朽化対策を着実に実施します。
 河川事業では、住民の生命や財産を洪水から守るため、積丹町の美国川の河積確保するほか、尻別川や朱太川など整備を進めるとともに、水文監視体制の強化として昨年度に引き続き、危機管理型水位計の設置を行います。
 砂防・急傾斜事業では、小樽梅ヶ枝2や泊泊村16などの急傾斜地崩壊対策工を実施するほか、神恵内村の珊内川や銭函1号沢川などで砂防えん堤を整備します。
 海岸事業では、余市町の大川海岸や寿都町の美谷海岸の高潮対策事業を実施します。
 また、洪水のみならず土砂災害が相次いで発生するなど、これまで以上に土砂災害に対する関心が高まっていることから、土砂災害防止法に基づく基礎調査を今年度までにすべて完了するよう実施しているところであり、調査後の土砂災害警戒区域及び特別警戒区域の早期指定に努めてまいります。
── 平成31年度(令和元年)予算執行にあたり北海道の基幹産業、農業・水産業の向上や観光振興、環境整備事業などの取組をお伺いします
朱太川
越智 後志管内は、大消費地である札幌圏に隣接しているなどの特性を生かし、農業では、水稲、畑作物・野菜、果樹など幅広い生産活動が行われています。
 また、観光では、風光明媚な景観、優れた雪質のスキーリゾートなど多くの観光資源に恵まれており、道内有数の観光エリアとなっています。
 当部では、農水産物の生産拠点と消費地を結ぶ物流ネットワーク機能を強化する道路の整備や、観光地の交通利便性を向上させる観光ネットワークの整備を推進します。
 後志の漁村地域においては、漁業就労者の高齢化、水産物の市場価格の下落など水産業の低迷が続いており、安定した資源づくりや、経営体質の強化など、魅力的でやりがいのある地域産業としての取り組みが必要となっていることから、島牧村の厚瀬漁港の防波堤延伸や泊村の盃漁港などの施設機能を保全する事業を実施します。
泊泊村16(急傾斜地)

── 社会資本整備事業の担い手として地域社会に貢献し災害時における復旧対策を担う建設業界へ要望・期待などお聞かせください
越智 住民の安全安心な暮らしを守るため、また、地域の経済や産業を支えるため、社会資本の整備は大変重要です。この社会資本を将来に持続していくには、災害に強い施設整備に加え、道路や治水施設の適切な維持管理や迅速な災害対応が必要であり、そのためには、地元に精通した建設業の皆様方の協力が不可欠で、民間や行政の力を結集しながら、地域の防災力を高める事が重要であると考えます。
 小樽建設管理部では、小樽建設協会と災害時の連携・協力体制を組み、災害時の対応などを行っておりますが、今後とも地域の安全・安心のため、連携を強化して参りたいと考えております。

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