建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2019年7月号〉

【寄稿】

日本の明日を支える大阪港での港湾工事連絡協議会の活動について

 大阪港港湾工事連絡協議会 会長
 東亜建設工業(株)
山口 欣三

大阪港全景(2019年3月)

はじめに

 大阪港は、人口約2,100万人の近畿圏を背後に持ち、大阪都市圏の経済活動や市民生活を支える国際貿易港として、コンテナ港湾の国際競争力強化に向け、2010年に神戸港とともに国際コンテナ戦略港湾に選定されました。また、西日本各地を結ぶ大型フェリーが就航し、国内最大級の中・長距離フェリーの拠点として、また上海や釜山へ定期国際外航フェリーも就航しており、国際的な交流を図るうえでも重要な拠点港となっています。
 加えて、人工島の夢洲地区では2025年に国際博覧会の開催を控えており、今後も大阪港は、日本経済の発展を人の交流や物流面でリードしていく役目を担っていくべく、港湾施設の整備を効果的に進めることで益々の発展が期待されています。

大阪港の現状

 現在、大阪港では国際海上コンテナターミナル整備の一環として、大型コンテナ船の就航に対応できるように主航路を水深-16mに増深するとともに、航路幅の拡幅を行っていく計画があります。この事業に伴って発生する浚渫土砂を計画的、安定的、経済的に処分するため、大阪港の沖合の新島地区に土砂処分場の整備を進めています。さらに、平成29年1月にC12延伸部として延長250mの岸壁が完成し、西日本最長の1,350m連続したコンテナバースとして、同年2月より供用を開始しています。
 工事は一般の貨物船や大型コンテナ船が航行し輻輳する海域での大型の作業船舶を使用した海洋土木工事であり、陸上の一般土木工事とは異なる安全管理が必要となります。そのため、工事の安全はもとより大阪港に入域する船舶の安全を確保しながら工事を進めていく必要があります。

大阪港の港湾工事連絡協議会の活動について

 大阪港の港湾工事連絡協議会は、近畿地方整備局大阪港湾・空港整備事務所や諸官庁、民間企業で構成された組織です。 活動内容は、工事の受注者同士の情報共有や大阪港の入出港船を管理する情報センターとの緊密な情報交換、関係諸官庁・関係団体との連絡体制により、海難事故防止と安全衛生を確保し、工事の円滑な進捗を図ることを目的とした活動を行っています。現時点でのメンバーは11社4工事7業務(6月10日現在)の体制となっています。
 毎週金曜日に港湾工事連絡調整会議を開催し、発注者との合同の安全パトロールにも毎月参加し、実際に稼動している工事現場の安全の状況の把握を行うとともに事業の進捗状況の確認や各工事に対する適切な安全管理の指導なども行っております。

港湾工事連絡調整会議実施状況

おわりに

 大阪港港湾工事連絡協議会の活動が、工事の安全な施工に寄与し無事故無災害で事業を円滑に進めていくことはもとより、一般船舶に対する航行安全の確保、工事関係者間の連携、大阪港に関連する地域コミュニティとの繋がりや交流といった面で、貢献できるように精力的に取り組んでいきたいと考えています。

発注者合同安全パトロール実施状況


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