建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2019年7月号〉

【寄稿】

福島浜通りの復興・再生を支える道路整備

 国土交通省 東北地方整備局
 磐城国道事務所 所長
菅沼 真澄

相馬西道路

1.相馬西道路の進捗状況と開通効果


 2011年の3次補正で常磐自動車道と東北自動車道とを相馬から福島まで結ぶ相馬福島道路約45kmが、早期復興リーディングプロジェクトとして復興支援道路に位置付けられました。
 磐城国道事務所では、相馬福島道路のうち東側の3分の1にあたる阿武隈東道路10.5kmと相馬西道路6.0kmを担当しています。阿武隈東道路は平成29年3月に開通しました。相馬西道路は、2019年度を開通目標に事業を進めています。事業進捗率は2018年度当初で約86%です。今年度は橋梁、改良、舗装工事を推進しています。当該道路が開通すれば、常磐自動車道から霊山ICまで繋がることになります。なお、相馬福島道路の現時点の開通状況としては、全線約45kmの約6割が開通しています。
 整備効果としては、豪雨時の通行止めリスクの低減、救急医療施設へのアクセス向上(例:相馬市⇔福島県立医大病院)、観光面における周遊性向上、産業面における輸送効率向上(例:相馬港⇔内陸生産拠点)などが期待されます。

十文字改良

2.十文字改良の進捗状況と開通効果

十文字トンネル

 「ふくしま復興再生道路」として位置付けられている国道399号十文字工区のうち、トンネルを含む3・3kmの区間について、道路管理者である福島県に代わり、磐城国道事務所が十文字改良として2015年度に事業化しました。国道399号十文字改良は事業進捗率が2018年度当初で約25%です。今年度はトンネル工事を推進します。
 幅員が狭くカーブが厳しいため車両のすれ違いが困難であるとともに豪雨時には落石の危険がある区間を回避するルートが整備され、利用者の安全性の向上や所要時間の短縮につながることが期待されます。例えば、川内村からいわき市医療センターへのアクセスが1時間以内になります。

3.国道6号勿来バイパスの進捗状況と開通効果

 延長4・4kmの国道6号勿来バイパスは、2015年度に事業着手し、2018年度当初の事業進捗率約2%で、今年度は道路設計、用地調査などを実施しています。
 整備効果としては、北茨城〜いわきのアクセス向上、周辺道路ネットワークも含めた自動車交通の円滑化、津波浸水区間の回避などの効果が期待されています。

勿来バイパス


HOME