建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2019年2月号〉

【年頭所感】

地域振興や物流効率化等の効果発揮に向けた自動車道整備や
主要施設の防災・減災対策を推進

 国土交通省 北海道開発局
 留萌開発建設部 部長
船木 淳悟


 新年明けましておめでとうございます。平成31年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。また、日頃から北海道開発事業の推進に御理解と御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 昨年は、留萌管内においても暴風雪や7月上旬の大雨で国道が通行止めになるなどの自然災害がありました。管内の市町村は、基幹交通アクセスを沿岸部の国道一ルートに依存しており、強靱な交通基盤の確保は地域の最重要課題の一となっています。
 一方、深川市を起点とし留萌市に至る延長49kmの深川・留萌自動車道が、平成10年4月の深川JCT〜深川西ICが開通して以来、20年余の期間を経てついに平成31年度に全線開通の予定です。これにより、留萌地域が札幌や旭川の大都市圏はもとより全道各地域と高速道路で直接結ばれることで、新鮮な魚介類の速達性の向上、高度医療機関への救急搬送時間の短縮、新たな道北観光ルートやコンテンツの開拓など、様々な効果が期待されています。
 新たな北海道総合開発計画が4年目を迎え、北海道における戦略的産業である「食」「観光」を担う「生産空間」が機能し続けられるよう、平成31年度も引き続きインフラ整備を着実に推進するとともに、関連する施策や民間活動と相まって相乗的な効果が発揮されるよう、関係機関との連携を強化して参ります。
 道路事業では、深川・留萌自動車道のほか国道40号天塩防災事業や国道239号霧立防災事業等、安全・安心な道路交通環境の向上に資するための事業を促進します。治水事業では、留萌川、天塩川において流下能力向上を図るほか、危機管理型ハード対策として堤防天端保護等を両河川で実施します。
 また、天塩町市街部において環境整備事業を推進します。港湾整備事業では、重要港湾である留萌港において、越波による港内攪乱を防ぐための南防波堤改良を進めます。また、羽幌港、天塩港の静穏度対策や増毛港の屋根付き物揚場の整備を継続推進します。水産基盤整備事業では、イカ釣り外来船受け入れ態勢強化のための苫前漁港岸壁の整備や、遠別漁港の老朽化した船揚場の整備を行い、水産物の安定供給や水産業を取り巻く国際化に対応していきます。
 農業農村整備事業では、高品質で競争力のある農業生産基盤を整備するため、天塩町産士地区の農地防災事業や更岸地区の排水施設整備を行うほか、苫前ダムの操作管理設備の改修を行います。
 一方、建設業界が直面する働き方改革や新規・熟練技能人材の確保、情報化施工といった課題に対しても、しっかり取り組んでいきます。
 結びに、本年が希望に満ちた年でありますよう、皆様の御健勝と御多幸を心より祈念申し上げ、年頭の御挨拶といたします。

平成30年4年 北海道開発局 留萌開発建設部長
船木 淳悟 ふなき・じゅんご
出身地 青森県
昭和60年3年 北海道大学農学部卒業
昭和60年4年 北海道開発庁採用 石狩川開発建設部配属
平成11年4年 北海道開発局 室蘭開発建設部 沙流川ダム建設事業所長
平成14年4年 北海道開発局 札幌開発建設部 滝川道路事務所長
平成16年7年 国士交通省 北海道局 水政課 開発専門官
平成18年4年 北海道開発局 建設部 地方整備課 地域事業管理官
平成19年2年 同 開発監理部 開発計画課 開発企画官
平成21年7年 網走開発建設部次長
平成23年4年 室蘭開発建設部次長
平成24年4年 国士交通省北海道局 水政課 企画官
平成25年7年 北海道開発局 建設部 河川工事課長
平成26年4年 国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所 寒地河川チーム上席研究員
平成28年4年 国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所 寒地水圏研究グループ長

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