建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2019年2月号〉

【年頭所感】

農水産業や観光を担う「生産空間」維持し十勝の発展支える
インフラ整備や人・物流ネットワーク強化

 国土交通省 北海道開発局
 帯広建設部 部長
細井 俊宏


 明けましておめでとうございます。新年を迎え、謹んでお慶び申し上げます。帯広開発建設部では今年も十勝管内の価値を創造していくために必要となる社会資本整備を行ってまいります。
 昨年は平成28年夏の台風で被災した国道38号小林橋、清見橋の架け替えが完了し、農業取水施設である円山頭首工、石山頭首工の復旧工事も完成したことで被災前の十勝の姿を取り戻しつつあると感じています。しかし、最近の自然災害では、50年に一度、100年に一度という事象が頻発して起こっています。昨年7月には西日本で大きい被害をもたらした「平成30年7月豪雨」が、9月には北海道胆振東部地震が発生しています。被害を受けられた方々には改めてお見舞い申し上げます。当部からも被災した地域にTEC-FORCEとして職員を派遣しており早期復旧に尽力しています。今後も管内だけではなく広域的な支援が要請されることから万全の応援体制を確立してまいります。また、北海道胆振東部地震では十勝管内でも長時間の停電に見舞われ、酪農をはじめ生産業などに大きな損害がありました。災害発生時の初動体制として、情報伝達の在り方を関係機関と意見交換することで、当部が有する防災情報をいち早く伝達し、自治体での適切な避難誘導などに役立てていただくといったソフト面の充実を図っていきたいと考えています。
 農水産業や観光を担う「生産空間」を維持し、さらなる十勝の発展を支えるためには、インフラの充実や強靱化は必要不可欠なものです。広域分散型の地理的特性を持つ十勝にとっては高速交通ネットワークの強化は重要な施策であり、人流・物流の強化や救急搬送の時間短縮のほか、災害時における代替交通網の確保といった役割を担います。今年も北道横断自動車道の陸別町陸別〜陸別小利別間及び帯広・広尾自動車道の忠類大樹〜豊似間の早期供用を目指し事業を進めてまいります。また、川の水を安全に流下させることができるよう河道掘削を引き続き実施していくほか、越水しても堤防の強度を長く保つことを目的とした堤防の天端舗装を進めていきます。さらに、日照りや長雨が続いたりする中でも安心して営農することができるように、農業用水を供給するパイプラインや農地の水はけを良くするための排水路の整備を推進します。
 地域の活性化のために、河川とまちの良好な融合をはかる「かわまちづくり」を自治体と協働で進めるほか、道の駅を活用した地域振興に加え、「十勝シーニックバイウェイ」とともにドライブ観光の推進にも力を注いでいきたいと考えています。
 結びとなりますが、年頭に当たり皆さまのご多幸を心よりお祈り申し上げまして、新年のご挨拶といたします。

細井 俊宏 ほそい・としひろ
昭和62年3月 東京農工大学卒業
昭和62年4月 北海道開発庁採用
平成12年6月 網走開発建設部 農業開発第1課長
平成14年7月 北海道開発局 農業水産部 農業水利課長補佐
平成18年4月 北海道開発局 農業水産部 農業設計課 農業企画官
平成20年10月 国土交通本省 土地・水資源局 水資源部 水資源計画課 企画専門官
平成23年4月 北海道開発局 農業水産部 農業整備課 事業調査官
平成24年4月 北海道開発局 開発監理部 開発調査官
平成25年4月 札幌開発建設部次長
平成27年4月 北海道開発局 農業水産部 農業整備課長
平成28年4月 北海道開発局 農業水産部 農業設計課長
平成30年4月 帯広開発建設部長

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