建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2019年2月号〉

【年頭所感】

広域交通ネットワークの構築や国際物流ターミナル完成で
物流安定性確保に向け施設整備の推進

国土交通省 北海道開発局  釧路開発建設部 部長  伊藤 晃

 新年明けましておめでとうございます。新春を迎え、謹んで皆様の御健勝と御発展を心からお喜び申し上げます。
 皆様には平素から釧路開発建設部が実施しております開発事業につきまして、深い御理解と御協力を賜り厚くお礼を申し上げます。
 昨年を顧みますと、西日本を中心に多くの地域で河川の氾濫や浸水害、土砂災害を引き起こした「平成30年7月豪雨」が発生しました。また、北海道においても9月に「北海道胆振東部地震」が起き、震源に近い山林においては大規模な土砂災害が広範囲で発生し、被害が拡大しました。改めて防災・減災に向けた国土強靱化の推進など、安全・安心な国土形成の重要性を強く感じる次第です。今後も職員一同、防災意識を高めて災害発生時における迅速なリエゾンの派遣など、地元自治体との連携を密にして、防災・減災対策に鋭意、取り組んで参ります。
 本年の事業といたしましては、釧路川において「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づく減災対策として、釧路川中上流部における堤防天端保護のハード対策を推進します。また、治水安全度の向上に向け、標茶・弟子屈地区において河道整備を進めるとともに、弟子屈町と連携したかわまちづくり及び釧路湿原での自然再生事業を継続して実施します。
 道路事業では、広域交通ネットワークの構築に向けて、道東自動車道等の高規格幹線道路などの整備を引き続き推進するとともに、根室線( 尾幌〜糸魚沢間)の計画的段階評価のための調査を鋭意進めます。また、安全で円滑な冬期道路交通の確保を図るため、道路防災事業として根室防雪を実施するほか、安全・安心な道路交通の確保に向けて標津防災、雪裡橋架替、釧路末広町電線共同溝等を推進します。
 また、港湾・空港整備事業では、釧路港において昨年11月には、国際バルク戦略港湾としての国際物流ターミナルの完成を迎えたところであり、物流の安定性確保を図るため、外郭施設や水域施設の整備を引き続き推進するとともに、十勝港、根室港、霧多布港及び釧路空港で整備を推進します。このほか、水産基盤整備事業では、厚岸、落石、大津、歯舞、羅臼地区で漁港整備を推進します。
 さらに、酪農が主体の管内農業の更なる持続的発展のため、引き続き根室市及び別海町で国営環境保全型かんがい排水事業、弟子屈町で国営総合農地防災事業、釧路市で国営緊急農地再編整備事業を進め、農業生産基盤の整備を推進します。
 第8期の「北海道総合開発計画」では、「世界の北海道」を目指して、北海道の強みである「食」と「観光」が戦略的産業として位置付けられたところであり、当部としましても豊かな暮らしを送ることができる地域社会の形成を図ることとしており、その実現に向けて豊富な地域資源とブランド力などや、釧根地域が持つポテンシャルを最大限活かしていけるように、今後とも社会資本整備を着実に推進して参ります。引き続き、皆様のより一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。
 年頭に当たり、皆様の御多幸を心からお祈り申し上げまして、新年の御挨拶といたします。