建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2019年2月号〉

【年頭所感】

高規格幹線道路整備推進で世界水準の観光地形成や
食の生産空間の維持・発展を支援

 国土交通省 北海道開発局
 小樽開発建設部 部長
橋本 幸


 新年明けましておめでとうございます。日頃から皆様には、小樽開発建設部の事業の推進につきまして、特段のご支援とご協力をいただき厚くお礼申し上げます。
 小樽開発建設部が管轄する後志地方は、付加価値の高い果樹や水産物など多様性に満ちた「食」と、ニセコエリアの外国人観光客に見られるように高い訴求力を持つ「観光」をバランス良く持ち、北海道総合開発計画の目標である「世界の北海道」を最も良く体現する魅力ある地域であると考えており、小樽開発建設部では、施策の立案や社会基盤の整備・保全等を通じてこの地域の持つ潜在力を押し上げ、「世界の後志」を目指しているところです。
 道路事業では、北海道における広域分散型地域構造を支える道路ネットワーク形成を目的に高規格幹線道路・後志自動車道 倶知安余市道路の整備を推進している他、国道5号等において防災対策や老朽化対策、交通安全対策、無電柱化について推進しています。
 後志自動車道では、昨年12月8日に開通した小樽JCT・余市IC間に続く区間、倶知安町から余市町を結ぶ延長約39.1kmを整備しています。本道路は後志地域と新千歳空港や苫小牧港などを結び、後志地域における世界水準の観光地形成や多種多様な食の生産空間の維持・発展を支援します。平成28年度に工事着手した共和〜余市間では、橋梁や改良工事等を実施し、また、倶知安〜共和間においては、平成30年度に工事着手するなど、早期開通がはかれるよう引き続き事業を推進していきます。
 また、「観光先進国」実現をリードする世界水準の観光地の形成に向け、シーニックバイウェイ北海道「支笏洞爺ニセコルート」において、地域と道路管理者の協働で魅力ある道路景観の保全を推進して参ります。
 治水事業では、暮らしの安全・安心を確保するため、一級河川・尻別川において、洪水を安全に流すためのハード対策として河道掘削等を行うほか、北海道や流域内自治体、防災関係機関と連携して防災教育や洪水ハザードマップ作成支援などのソフト対策を実施し、洪水被害の軽減に向けた取り組みを引き続き進めて参ります。
 港湾整備事業では、小樽港において、より大型のクルーズ客船受入対応施設の整備による観光・産業振興をめざして第3号ふ頭の岸壁改良等を進め、石狩湾新港においては船舶の安全な利用を確保するための北防波堤延伸、岩内港では港湾施設の老朽化対策などの施設整備を進めて参ります。
 農業農村整備事業では、国営緊急農地再編整備事業「ニセコ地区」において、農地利用の計画的な再編と土地生産性の向上を図るため、農地の大区画化や傾斜・排水改良などの整備を実施して参ります。また、国営かんがい排水事業「中後志地区」において、老朽化が進む農業水利施設の改築・補修及び用水再編のための全体実施設計に移行して参ります。
 水産基盤整備事業では、古平漁港や美国漁港において、水産物の衛生管理対策を図るための屋根付き岸壁、寿都漁港では漁港内の安全な係留を確保するための防波堤改良などの施設整備を進めて参ります。
 当部といたしましては、上記事業について、担い手不足に向けた働き方改革やi-Constructionなどの生産性革命の取組も併せて進めながら着実に推進し、地域の期待に応えて、その使命、役割を果たして参りたいと考えています。
 本年が、皆様にとりまして実り多い一年になりますことをご祈念申し上げ、年頭のご挨拶と致します。


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