建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2019年1月号〉

【寄稿】

安全・安心で、地域の期待に応える道路整備

―― 東関東自動車道水戸線、国道6号牛久土浦バイパスの事業推進

 国土交通省 関東地方整備局
 常総国道事務所 所長
近藤 進

管内整備路線図

はじめに

 常総国道事務所は、首都圏中央連絡自動車道(以下「圏央道」という)、東関東自動車道水戸線(潮来〜鉾田)(以下「東関道水戸線(潮来〜鉾田)という」、国道6号牛久土浦バイパスの3路線の整備を進めています。
 これまでは、圏央道の坂東ICから大栄JCT間の63.5kmの整備を重点的に進めてまいりましたが、茨城県内最後の未開通区間であった境古河ICからつくば中央IC間の28.5kmが平成29年2月26日に暫定2車線で開通したことにより、茨城県内の圏央道は全線暫定2車線での開通となりました。
 現在、北関東地域と東関東地域の連携交流に寄与する東関道水戸線(潮来〜鉾田)や国道6号の渋滞緩和等を目的とした牛久土浦バイパスを中心に道路整備を進めています。

首都圏中央連絡自動車道(圏央道)

 茨城県内の圏央道は、昨年2月26日に境古河ICからつくば中央IC間の約28.5kmが開通したことにより、県内全線の約71kmが暫定2車線で開通となりました。
 圏央道全体としても延長約300kmのうち約9割の区間が開通となり、東名高速、中央道、関越道、東北道、常磐道、東関東道水戸線の6つの高速道路があり、新たな広域ネットワークが形成されました。
 これにより、圏央道沿線の「企業立地の活発化」、成田空港への高速バスの「所要時間短縮や定時性の向上」、環状ネットワーク形成による「広域周遊観光の活発化」など、多方面においてストック効果が現れています。
 今後は、茨城県坂東市の坂東ICから千葉県成田市の大栄JCTまで(約64km)の環境整備等を推進するとともに、生産性向上等のストック効果の更なる発現に資するべく、財政投融資を活用した4車線化事業についても実施してまいります。

東関道水戸線(潮来〜鉾田)

東関道水戸線の平面図

 東関道水戸線は、高速道路ネットワークを形成し、国際バルク戦略港湾である鹿島港や成田国際空港・茨城空港へのアクセス向上を図るとともに、災害時の代替路線(リダンダンシー)を確保し、北関東地域と東関東地域の連携交流に寄与するなど多くの役割を担っています。
 当事務所では、潮来ICから鉾田IC間の約31kmを担当しており、平成25年度から用地買収に着手、平成27年度から工事に着手しています。平成29年3月31日には東日本高速道路株式会社に有料事業許可がなされたため、共同で事業推進を図っているところです。
 平成30年2月3日に、東日本高速道路株式会社が整備している茨城空港北ICから鉾田IC間の約9kmが開通したところであり、引き続き、任意の用地取得に最大限努めてまいりますが、早期開通に向け土地収用法を活用した用地取得を並行して進めるとともに、地盤改良や函渠・跨道橋工事を推進してまいります。

潮来市(地盤改良完成)        鉾田市(上部工完成)

国道6号牛久土浦バイパス

牛久土浦バイパスの平面図

 久土浦バイパスは、茨城県牛久市から土浦市までの延長約15kmのバイパス事業で、牛久駅から荒川沖駅周辺の市街地における慢性的な渋滞を解消し、道路交通機能を回復させるほか、圏央道へのアクセス向上などの役割を担っています。
 これまでに、圏央道つくば牛久ICに接続する約3.9kmが暫定2車線で開通しており、周辺では大型ショッピングセンターなどが立地しています。
 今年度、新たに牛久市城中町からつくば市高崎間の約5.5kmが新規事業化となり、全線で事業を実施してまいります。
 開通済み区間の前後約4.6kmについては用地買収を推進し、改良・橋梁下部工事に着手します。バイパス起点側の約1.3kmについては用地買収、改良・橋梁下部工事を推進し、橋梁上部工事に着手します。
 また、新規事業化となった牛久市城中町からつくば市高崎間の約5.5kmについては、路線測量、地質調査を実施しています。

おわりに

 地元自治体等の関係者と連携し、地域経済の持続的な発展に貢献するべく、高速道路ネットワークの整備を進めるとともに、道路の渋滞を緩和し安全で安心に暮らせる地域づくりを目指し、道路整備を進めてまいります。


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