建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2018年10月号〉

【寄稿】

多摩地域の交通環境の改善を目指して

―― 国道16号八王子拡幅、八王子〜瑞穂拡幅、国道20号日野バイパス(延伸)、日野バイパス(延伸)U期、八王子南バイパスの事業推進について

 国土交通省 関東地方整備局
 相武国道事務所 所長
外川 和彦



相武国道管内図

はじめに

 国土交通省関東地方整備局相武国道事務所は、東京都多摩地域と神奈川県相模原市、大和市の国道16号および国道20号の維持管理を行うとともに、交通混雑緩和や交通安全の確保などを目的としたバイパス整備や道路拡幅、交通事故・渋滞対策、共同溝、電線共同溝などの事業を進めております。

国道16号における事業

〔維持管理〕
 国道16号は、神奈川県横浜市から東京都、埼玉県、千葉県を経て再び横浜市に至る環状道路で、当事務所では、東京都および神奈川県内の現道約42.5kmおよび八王子バイパスの約10.3km、計52.8kmを管理しております。
〔八王子拡幅〕
 国道16号八王子拡幅は、八王子市内の交通混雑の緩和と交通安全の確保を目的に延長約2.7kmについて4車線に拡幅する事業です。
 これまでに、約2.3kmについて4車線化が完了し、平成30年1月に残る約0.4kmを4車線化で開通し、事業延長約2.7kmすべての4車線化が完了しました。
 当該区間の開通により、国道16号の交通渋滞緩和や、交通事故減少に寄与するものと期待されます。
 引き続き、当該区間においては、電線共同溝整備に伴う電柱抜柱及び歩道舗装工事を推進してまいります。
〔八王子〜瑞穂拡幅〕
 国道16号八王子〜瑞穂拡幅は、八王子市から埼玉県境までの交通混雑の緩和と交通安全の確保を目的に延長約14.6kmについて4車線(一部、6車線)に拡幅する事業です。
 これまでに、全線で4車線化が完了しており、平成30年3月に約1.7km区間の6車線化が完了しました。
 引き続き、当該区間において、交差点改良や遮音壁の整備、副道・歩道の舗装工事を推進してまいります。

国道20号における事業

国道20号バイパス計画図

〔維持管理〕
 国道20号は、東京都中央区日本橋から長野県塩尻市に至る主要幹線道路で「甲州街道」とも呼ばれており、当事務所では、東京都および神奈川県内の約51.2kmおよび八王子南バイパスの約2.8km、計54.0kmを管理しております。
〔八王子南バイパス〕
 国道20号八王子南バイパスは、八王子市域の交通混雑緩和や交通安全確保とともに、圏央道のアクセス道路として行動範囲の拡大や移動時間の短縮などを目的とした延長約9.6kmのバイパス事業です。
 これまでに、約2.6kmが4車線で開通し、約0.3kmが暫定2車線で開通しています。
 引き続き、早期開通に向け、道路設計、用地買収、埋蔵文化財調査、改良工事、高架橋上下部工事、(仮称)館第一トンネル工事などを推進してまいります。
〔日野バイパス(延伸)、日野バイパス(延伸)U期〕
 国道20号日野バイパス(延伸)、日野バイパス(延伸)U期は、並行する国道20号などの交通混雑緩和と生活道路へ流入している通過交通を減少することで、地域の安全性向上を目的とした、延長約5.3kmのバイパス事業であり、八王子南バイパスと一体となり八王子市・日野市の交通の円滑化などにも寄与することが期待されます。
 引き続き、道路設計、用地買収、埋蔵文化財調査、歩道整備工事などを推進してまいります。

安心・安全な道路管理

国道20号八王子南バイパス
(仮称)館第一トンネル坑内にて
 管内の道路が良好な状態に保たれるよう、道路巡回や道路清掃、除草、剪定、路面補修等の日常管理を行っております。豪雨時には、連続雨量150mmを超えた場合、通行規制を実施する事前通行規制区間があるとともに、冬期では山間部において、積雪や路面の凍結などが発生していることから、これらの異常気象時には、通行止めの措置や注意喚起、除雪や凍結防止剤散布などの対応を適宜実施しております。
 また、高齢化する道路構造物の安全・安心を確保するため、管内の橋梁補修等の老朽化対策や耐震補強、国道20号の高尾から山梨県境の防災対策等の実施をしております。

シールドマシン

おわりに

 当事務所では、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けての対応として電線共同溝の整備や緑化等の景観整備など、厳しい財政状況の中ではありますが、関係者並びに地域の皆様と連携しながら、安全で安心できる道路整備を進めてまいります。


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