建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2018年10月号〉

【寄稿】

山形の地域交流と経済振興の起爆剤となる東北中央自動車道と新庄古口道路

―― 東北大震災からの復興に向けて力強い歩み

 国土交通省 東北地方整備局
 山形河川国道事務所長
和田 賢哉



東北中央自動車道・大石田村山〜尾花沢(尾花沢IC)

新庄古口道路・津谷〜古口

 山形河川国道事務所では、河川事業として一級河川最上川、道路事業として一般国道5路線と東北中央自動車道の整備や管理を通じて、県内の産業・観光振興に欠かせない社会基盤の構築と、県民生活の安全・安心の確保に取り組んでいます。
 我が国は東北大震災や津波のみならず、台風、豪雨、土砂崩れ、噴火など自然災害の多い国土で、最近でも記録的な豪雨や猛暑に見舞われています。こうした大規模災害に備えた河川改修や道路ネットワークの確保、橋梁の耐震対策・道路の防災対策等の緊急輸送道路の強化を推進します。
 また、道路・河川の施設整備を通じて、地域の連携確保や、賑わいの創出など、地域の活性化・観光振興に資する取り組みも推進しています。
 本稿では、当事務所の道路事業の内、今年度に一部開通した東北中央自動車道の東根〜尾花沢区間と、国道47号の新庄古口道路を紹介します。

新庄古口道路・津谷〜古口

 東北中央自動車道は、福島県相馬市から秋田県横手市間に計画されている延長約268kmの高規格幹線道路です。東根〜尾花沢区間(L=約23km)はその一部を構成し、既開通区間と供に高規格幹線道路ネットワークの形成を目指すものです。この整備によって、広域的な交流・連携の促進と沿線地域の物流強化、観光振興等の効果が期待されます。

 今年4月15日に大石田村山IC〜尾花沢IC間の5.3kmが開通し、現在は、残る区間の調査設計、用地補償、改良工事、橋梁工事、舗装工事、道路付属物工事を推進しており、今年度内の東根IC〜東根北IC間4.3kmの開通を予定しています。
 新庄古口道路(L=10.6km)は、地域高規格道路「新庄酒田道路」の一部を構成する自動車専用道路です。新庄市、戸沢村の事前通行規制区間の解消及び災害時における代替路の確保や地域間交流の促進による物流強化、観光振興等を目指して整備するものです。
 今年7月15日に戸沢村大字津谷〜古口間2.2kmが開通し、更に今年度は、調査設計、橋梁工事を推進するほか、トンネル工事に着手予定です。

東北中央自動車道・大石田村山〜尾花沢・開通式 東北中央自動車道・大石田村山〜尾花沢


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