建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2018年6月号〉

【寄稿】

着実に進む「MAGロード」

―― ものづくり大国である我が国の中心に描かれるサークル

 国土交通省 中部地方整備局
 岐阜国道事務所 所長
依田 秀則



東海環状自動車道の整備状況


 私たち岐阜国道事務所は、岐阜県西南部における国道、約237km(平成30年4 月1 日現在)の維持管理及び東海環状自動車道・一般改築事業、交通安全事業、電線共同溝事業を担当しています。
 現在は東海環状自動車道(関〜養老)の整備を重点的に進めています。国道475 号東海環状自動車道は、名古屋市を中心に半径30 〜 40km 圏に位置する道路で、愛知県、岐阜県、三重県の3 県に跨る延長約160kmの高規格幹線道路です。愛称は「MAGロード」で、三重県の頭文字である「M」、同じく愛知県の「A」、岐阜県「G」を組み合わせて「MAG ロード」と命名されました。マグネット(磁石)のように、それぞれの地域を引きつける道路という意味も込められています。

東海環状自動車道養老JCT〜養老IC開通式の様子


 東海環状自動車道は、東名・名神高速道路、中央自動車道、東海北陸自動車道、新東名、新名神高速道路の5 本の放射状道路を連結します。現在、着手している関〜養老間は、東海北陸自動車道と名神高速道路を連絡するとともに、岐阜県南部地域の連携強化と、地域開発の支援等を目的とした高規格幹線道路です。中京圏の放射状道路ネットワークを環状道路で結び、広域ネットワークを構築することで、環状道路内の渋滞緩和、沿線地域の地域産業・観光産業の支援、災害に強い道路機能の確保に寄与します。平成29 年12月18 日(月)、財投活用による整備加速予定箇所として、東海環状自動車道(仮称)高富IC 〜(仮称)大野・神戸IC、(仮称)北勢IC 〜(仮称)大安IC間の平成36 年度開通見通し、美濃加茂IC・SA 〜土岐JCT 間について、平成34 年度から順次付加車線を設置することを公表しました。
 また、平成29 年10 月22 日(日)には、東海環状自動車道 養老JCT 〜養老IC 間の3.1km が開通しました。当日は開通を祝した開通式典・セレモニーが行われ、約350 人が参列しました。
(仮称)高富IC付近から関広見IC方面を望む
(仮称)大野・神戸IC付近から大垣西IC方面を望む
大垣西IC付近から(仮称)大野・神戸ICを望む


 古田肇岐阜県知事の挨拶の後、大橋孝養老町長による「養老サイダー」による乾杯や、テープカット、くす玉開披、開通パレード等が行われ、同日午後3 時から一般車両の利用が始まりました。
 養老町初のIC である養老IC には、沿線地域の観光産業の支援や、地域開発の促進、沿線地域の活性化等の効果が期待されています。
 現在の工事の進捗状況は、関広見IC 〜(仮称)高富IC8.4km は、トンネル6 本のうち5 本貫通(北野・三輪・大洞・小洞・岐阜山県)、広見TN 工事、橋梁上下部工事、改良工事を推進中で、平成31 年度開通の見通しです。
 (仮称)高富IC 〜(仮称)岐阜IC6.1km は、改良工事及び、岐阜山県第一TN 工事を推進中です。(仮称)岐阜IC 〜(仮称)糸貫IC6.3km は埋蔵文化財調査の実施中です。(仮称)糸貫IC 〜(仮称)大野・神戸IC6.8km は、橋梁下部工事と改良工事を推進中で、これらの区間はいずれも平成36 年度開通の見通しです。
 (仮称)大野・神戸IC 〜大垣西IC7.6km は、橋梁上下部工事、改良工事を推進中で、平成31 年度に開通の見通しです。養老IC 〜(仮称)北勢IC18.0km は、改良工事を推進中です。
 (仮称)大安IC 〜東員IC6.4km は、橋梁上部工事、改良工事を推進中で、平成30 年度に開通の見通しです。
 この路線が整備されることにより、中京圏の放射状道路ネットワークを環状道路で結び、広域ネットワークが構築され、企業活動の向上、物流の効率化、観光活性化等の様々なス トック効果が発揮されます。
 また、郊外から都心部への交通を分散して導入する複数のルートを確保し、通過交通の都心部への流入を抑制することで、都心部の交通集中が緩和されます。
 災害や事故、大規模な工事による交通規制、あるいは交通混雑があった場合など、迂回誘導も可能となります。
 岐阜国道事務所では引き続き関係自治体と緊密に連携をとり、地域の期待に応えられるよう東海環状自動車道の1日も早い開通を目指し、全力で事業を推進してまいります。


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